第17話 森《もり》の山菜《さんさい》
そこで
おじさんは、山菜のとれる山のそばで、みかんの木をさいばいしているそうです。
オート三輪は、
タイヤは三つしかありません。
ちゃんと
そしてすみれと
パッパッパッと白いけむりを出しながら、オート三輪は、どんどん山のほうに
かりとった
小学校のよこをぬけ、大きなぶどう
いくつかの家が
「もうすぐよ、すみれさん」
雪江さんが、うんてんせきのうしろの
その
すみれは、おもわず『おばあちゃん』と、つぶやいてしまうところでした。
りょうがわに草の生えている道を、オート三輪はのぼっていきます。
道はくねくねと
すぐそばまで、
いまは春だから、あの
夢子に
みかん山をすぎると、こんもりとしげった森があらわれました。
「さあ、ついた」
雪江さんは、
オート三輪は、その森のふもとで止まりました。
「そいじゃあ、
おじさんはそういうと、
「さあ、あつめましょう」
雪江さんは、大きく
森の中に入ると、
人がやっと歩けるくらいの、小さな道です。
まわりには、落ち
しいの木やクヌギの木のあいだを、さぁーっと風が吹きわたっていきます。
そのたびに、頭の上で、たくさんの葉っぱがザワザワと音をたてました。
なんだか、
「あ、あった」
夢子がへいきな顔で、道から草むらの中に入っていきます。
すみれは、おっかなびっくり、あとに
すみれが
そこには、かわいい花が
チューリップをうらがえしにしたみたいな、むらさき色の花。
まるで、ちょこんと、おじぎをしているみたいです。
なんとなく、すみれの家においてある、ランの花にも
「きれいな花ね」
「うん。これ、カタクリっていうの」
夢子はその花をつかむと、よいしょと引きぬきました。
「あっ!」
花をかってに
花だんの花も
だから夢子のおこないには、ほんとうにびっくりしてしまいました。
「ね、ねえ。その花とっちゃって、おこられないの?」
「ええっ、だれに?」
夢子は、カタクリの花を
「だれにって……だって、お花は、ながめて楽しむものでしょう?」
「でも、これ食べると、おいしいんだもの」
「えーっ、これをたべるの!」
すみれは、ほんとうにびっくりしました。
それを見ていた雪江さんが、ほほほっと、ほがらかに笑いました。
「だいじょうぶよ。私たちがすこし取ったくらいじゃ、カタクリの花はなくならないわ。まい年まい年、同じところに生えてくるもの。この森があるかぎり、森の
「森で、生まれ変わる?」
「そうなの。森がなくなれば、もうカタクリの花は
雪江さんの顔が、ちょっぴりさびしそうになりました。
そういえば、ほんとうの世界で、すみれがおばあちゃんのところに行っても、おばあちゃんからは、
もしかしたら……。
もう、すみれのいなかでは、カタクリの花は
だって、
「おねえちゃん。あそこに、ヨモギがあるよ」
夢子は、カゴを雪江さんにあずけて、あちこち走りまわっています。
そのたびに、キクの葉ににたヨモギやら、大きくて丸いフキの葉やらを取ってきます。
ひょろりとのびたくきの先に、あかんぼうの手が
くるくるまいた、ゼンマイ。
青くって毛がいっぱいのウド……。
ほんとうに、いろいろな
「すごい。これ
すみれには、おどろくことばかりでした。
だって、夢子の取ってきたものの中には、タンポポの花とか、なんと自分の名前とおなじ、スミレの花さえもあったのです。
最後に、見たことのある
その雑草は、公園のうえこみや、道のはしっこ、それこそどこででも、かんたんに見つけられるものだったからです。
「これ、オオバコっていうの。てんぷらにすると、おいしいんだよ」
すみれは、とても食べる気にはなれませんでした。
だってそれは、学校のトイレのうらにもはえている草だったから。
でも、けっきょくあとで食べてみて、とってもおいしいのにビックリしました。
すみれの見つけることのできた
それは、きれいな小川のそばに生えていました。
でも夢子は、それを見ると「セリね。でもわたし、それってニガいから、きらい」と言って、すみれをがっかりさせました。
夢子の大かつやくで、お
そこで、おじさんがむかえにくるまで、道のそばで、おべんとうをたべることにしました。
みんなは、おべんとうをつつんでいたふろしきを広げ、その上にすわってたべました。
おべんとうは、大きなおにぎりと、きいろいタクアンだけです。
のみものは、森の中にわき出ている水を、
いつもなら、そんなお
でも、おなかのへったすみれには、とってもおいしく
そして食べおわったころに、パッパッパッと音が近づいてきて、おじさんのオート
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