第2話 フローラさんのお花やさん
「こんにちわ」
リンリンと入口のベルがなります。
ランドセルをせおった、ちいさな女の子が、入ってきました。
女の子のまわりは、きせつの花でいっぱいです。
チャイムの1
「はぁい。いらっしゃいませ」
カーネーションの、大きな花たば。
そのむこうから、とてもきれいな女の人があらわれました。
まっしろのチューリップにも
すべすべの白いはだをしています。
かみの毛も
どうやら
「あのー。あなたが、フローラさんですか?」
「ええ。おじょうちゃんは?」
ピンクのくちびるから出てきた
それは、わけのわからない、外国のことばではありませんでした。
とてもじょうずな、
女の子は、すこし
「わたし、
フローラは、すみれの
すみれは、まっすぐな
それをまん中からわけて、きちんと
でも……。
なぜか、とっても、かなしそうな目をしていました。
「あなたはわたしに、
フローラの
なのに、すみれはモジモジとするだけ。
なかなか、しゃべろうとはしません。
どうやらすみれは、はじめてあう人と
「あのう……。
「おじいさん? どんな人だったの?」
「
すみれがそこまで言ったとき。
2
「それは、こんな
階段から、すみれの言ったかっこうをした人が、あらわれました。
でも、すみれの話に出てきたおじいさんとは、ちょっとちがいます。
それを着ているのは、ちいさな男の子だったのです。
「あら! また、トッピのいたずらだったの?」
フローラは、まゆをしかめると、おこった声を出しました。
「ちがうよフローラ。すみれがとってもこまってて、かわいそうに見えたから、
「そうじゃよ。わしが、てつだった」
トッピのむねについている、人の顔をしたブローチ。
それが、とつぜんしゃべり出しました。
すみれの目は、まん丸になってしまいました。
なぜなら、それまでかざりでしかなかったブローチが、まるで、生きている人の顔そっくりになっていたからです。
しかも、その顔ときたら、
「お、おじいさん!」
すみれは、こわくなって、
「あ、こりゃすまんことをした。わしは、けっしてあやしいものではない」
そういわれても、じゅうぶんに、あやしい気がします。
すみれは、じりじりと、うしろにさがりはじめました。
「すみれさん。このブローチは、ランペじいといって、生きているおじいさんブローチなのよ。
フローラが、ほほえみながら言いました。
なぜか、フローラがいうと、ちっともこわくありません。
すみれは「ほっ」とためいきをついて、またもとの
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます