第4話  ゴブリン






魔王を討伐することになった俺たち。




ま、実際に言えば”俺”のみだけどな。




「な?ゴブリン。」




「がう?」




そう、こいつ人語わかんねえから今の状況理解してないんだよ。




「がうがうー!」




ゴブリンが俺にじゃれあってくる。



「ったくこいつ…」




まるで子供か。




にしてもついさっきまでお前を殺そうとしてたやつによくそこまでくっつけるな…




たぶん入れ替わってることにも気づいてないのだろう。




野生で生きていたら自分の顔を見ることはあまりないもんな。




目の前に自分がいてもなにも驚かないのは納得だ。




俺はもう一度水面を見る。




するとその中には人間の子供のような顔つきをしたゴブリンが一匹。



「けっこうかわいい顔してるな…」



そう、この世界のモンスターはラビットスライムやミニゴーレムも同じで少し人間のような顔つきだった。




特にこの世界のゴブリンはほとんど見た目は人間だった。




まあたぶんこのゴブリンは人間換算でいう子供に当たるのだろう。




「俺の知ってるゴブリンなんもっときもくて勇者パーティーの女の子たちのおp」




おっとっと




そういえば前世の僕まだ未成年でしたわ。



いや別に想像だけどね?



未成年でR18読んでたとかじゃないからね?




「がう?」




ゴブリンが何事かのように顔を覗いてくる。




「いっいや何も!」




こいつの顔かっこいいから近づかれると陰キャの俺には緊張してしまう…!!




「え、ゴホンッ」




俺は少し顔を赤くしてごまかすように咳払いをする。




「まあとりあえず情報収集や物資をゲットするために村におりたいんだけど…」




ゴブリンが俺を見つめてくる。




「まあ…俺の姿がこれじゃあ無理だよな。」





かといって人語がわからないゴブリンに行かせてもな…





するとどこからかチョウが飛んできた。





「がう!」





するとゴブリンは立ち上がってチョウを楽しそうに追いかけていった。




「ふんっ呑気な奴だ…」




俺はそう言いながらも絶望的状況の中、このゴブリンのおかげでちょっと気持ちが和らいでいることに感謝している。





そして俺は走っているゴブリンの着ている装備についている青いマントを目にする。





「ん?あれで…」

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引きこもり陰キャが異世界転生して異世界無双かと思いきや転生先でゴブリンと中身が入れ替わってしまいました みそとんこつみたいな人 @misotonkotura-men

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