これまでの転生AGAIN(1話ー13話)

「オルト、ステラ。俺はお前達と出会えて良かった。お前達と出会えて、変われた気がする」

「ああ!俺もだ!」

「……うん、私も!」


この言葉を最後に、ステラとオルトとは二度と会えなくなった。

俺は現実に転移され


「何が…変われた、だ!俺は何にも変わってないじゃないか!引きこもりのクズになった瞬間すべて元通りだ!」

俺は昔の自分に絶望した。

目の前にたたずむ茶色の扉。

これを開けられず、自分の世界に閉じこもっていた。


でも・・・・・・


「…………康平?」

「ぉ…はよう。かあさん」


俺は歩みだした。正しい道にもう一度。

しかし母に言われたのは


「Tシャツボロボロだけど…どうかしたの?」

「………え?」


俺は本当に異世界に行っていたんだ。

でも力は使えないし、時間も経ってないから誰も信じてはくれないだろうけど。

そんな俺の前に現れたのは


「君に倒されて以来だね、勇者コウヘイ」


俺が倒したはずの女魔王。俺と違って力が残ってるというあいつは俺を殺そうとしてきた。

なんとか危機を脱し、俺はやっと学校へ行き始めた。

しかし・・・・・・


「…ねぇ理彩。あの人って」

「ちょっと花輪見過ぎ…」

「おはよう。さて、今日で中間テスト1週間前になった。以前から口をすっぱくして言っているが、進級の条件として中間テストと期末テストの合格が入っている。補修をとれる科目もあれば、とれない科目もある」


学校初日は周りの目が冷たかったし、授業はついていけないし、1週間後に中間テストと最悪なスタートだった。

しかも一部の科目は赤点取ったら留年という最悪の状況。

でも俺は諦めなかった。

レイスに小馬鹿にされたのもあって意地だった。


でもやっぱり勉強は想像以上に大変で、独りでずっとやり続ける辛さを知った。

俺を見てくれる人はいないと思ってた。


「なんで…俺がそんな、勉強してるって!」

「お前の授業の様子を見れば、わかるに決まってるだろ」


嬉しかった。

俺を見てくれる人がいた。

だからテストまでの1週間、俺は全力で勉強し続けた。


でも


「うああああああああああああああああああああ!!!」


俺はテストに失敗した。

辛すぎて涙を何回も流した。

人生で初めて大きな失敗をした。


はずだったのに


「おめでとう渡辺、赤点無しだ」


誰かが俺の答案を改ざんした。

俺は誰かに生かされたんだ。


でもそれが当時の俺にはすごくショックで


「合格したとき、最初によかったって思ってしまったのが、悔しいんだよ。みんなと並ぶことができずに、後腐れしかないこんな最低な結果、受け入れたくない。でも、留年はしたくないし、今の同級生と一緒に進んでいきたい。でもどっちを取っても辛いんだ!俺はどうすればいいのか分からないんだよ!!!!!!」


誰にもぶつけられない本音を俺を目の敵にしているレイスにしか話せなかった。

そんな俺が本当に情けなくて、俺は変わる決心をした。


それから1週間後、補習が終わり俺は陸上部に入った。


「君が入部希望者の渡辺康平君かな?今日はよろしくね!」


ちゃんと活動しているのはせいぜい2,3人の部活。

それでも変わるために、今日まで部活に打ち込んできた。


このまま平和な日常が続けばと思ったけど


「水力発電所が爆発……?何で?誰が??」

「おはよう、渡辺康平くん♪」


俺の知らないところで、何かが起こっているらしい。


第14話に続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生AGAIN〜引きこもりの俺が転生&俺TUEEEで世界救ったら現世に戻されました〜 ノあ @korosseo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ