仮想魔法をバカにされた俺は、異世界でビットコインを作って世界経済を支配する

雪風

―— バカにされた仮想魔法 ——


「おいおい、また仮想魔法の研究かよ。そんなもん、実体がないんだから意味ねぇだろ!」


「魔法は現実世界を支配する力だ。想像上の魔法なんて、子供の遊びにすぎない。」


ギルドの魔法学士たちは、俺の研究を鼻で笑った。

彼らにとって、魔法とは火を操り、水を生み、大地を砕く――目に見える力でなければ価値がない。


だが、俺は信じていた。

魔法は、物理現象を超える『価値』そのものを生み出せると。


俺が研究していたのは、仮想魔法――実体を持たない、しかし世界を支配する『概念』の魔法だった。


だけど誰も理解してくれなかった。俺はギルドから追放された。


「お前の研究は、無価値だ。」


最後に浴びたその言葉を、俺は一生忘れないだろう。


……ならば証明してやる。

この異世界の経済を、俺が創った仮想通貨で支配してやる。


俺は、仮想魔法によってマジックコインと呼ばれる新たな通貨を生み出すことを決意した。


これは、仮想魔法を笑われ、見捨てられた男が――世界を経済で征服する物語だ。


第一章 マジックコイン誕生

追放から半年。

俺は辺境の森にある小さな廃屋で、ひたすら魔法式を書き続けていた。


「……成功した。」


ついに、俺は魔法演算式のネットワークを構築することに成功した。


俺が創り出したのは、**Proof of Magic(魔力証明)**と呼ばれる魔法的な検証システムだ。


魔力を注ぎ込み、複雑な魔法式を解読した者が、新たなマジックコインを『掘り当てる』――いわば、魔力によるマイニング。


しかも、このマジックコインは、魔法ネットワーク上で完全に取引履歴が記録され、誰にも改竄できない。


「……これが、俺の仮想魔法だ。」


試しに、村の商人にこのコインを持ち込んでみた。


「これは……魔力が込められた貨幣? だが、こんなもの信用できるか?」


「この魔法式を見ろ。取引の履歴は全て、このマジックコインに記録されている。誰がいつ、どこで受け取ったのか、偽造もできない。お前の持っている金貨よりも、遥かに信頼できる貨幣だ。」


商人は最初、訝しんだ。だが、実際にマジックコインを使い、魔法式を照合したとき――


「……これは、本物だ。」


信用は、一気に広まった。



俺はマジックコインを公開した。

魔力さえあれば誰でもマイニングでき、世界中で自由に取引できる。


瞬く間に、冒険者たちは魔力を消費してマイニングに夢中になり、商人たちは安全な取引を求めてマジックコインを受け入れた。


やがて、王都でも話題になり、貴族たちがこぞってマジックコインを買い集め始めた。


――俺の仮想魔法は、異世界の経済を動かし始めた。


「ギルドの連中……見ているか? 俺の魔法は、世界を変えるんだよ。」


だが、その影で――王国経済を牛耳る**中央魔法銀行(CMB)**が、俺の動きを警戒し始めていた。


「異端者、レオン・グレイフィールド。放置すれば、王国の経済は崩壊する。」


かつて俺を追放したギルド、そして王国の権力者たちが、次第に俺を潰そうと動き出す。


これは、魔法 vs 経済の戦争。


仮想魔法を信じた一人の男が、異世界の金融支配に挑む物語は、ここから始まる。




第二章 魔力バブルと規制の波

俺が創り出したマジックコインは、異世界に新たな価値基準をもたらした。


王都では、既に金貨よりもマジックコインでの取引が増え始め、街の商人ギルドすらも**「レオン式仮想魔法貨幣」**を正式に受け入れる決議を出した。


もはや、誰も仮想魔法を笑わない。


いや、違う。

皆が笑いながら買っている。


「買え! 買え! マジックコインは上がり続けるぞ!」


「昨日の倍だ! 今買わなきゃ損だ!」


――魔力を燃やし、マイニングに明け暮れる冒険者。


――次々にマジックコインを買い漁る商人。


――そして、噂だけで取引に群がる貴族たち。


俺は気付いていた。

これは、バブルだ。



フィリスという王都の若い商人が、俺のもとを訪れた。


「レオン様、噂は本当ですか? ……マジックコインの価値が、いずれ暴落する、と。」


「フィリス、お前はどう思う?」


「……正直に言えば、こんな短期間で価値が跳ね上がる通貨は……危険です。ですが……皆が買っているのです。」


俺はゆっくりと微笑んだ。


「フィリス、お前はまともな商人だ。だが、バブルは……“割れる”時こそが最高のチャンスだ。」


「……チャンス、ですか?」


「皆がマジックコインを買い漁っているうちに、俺は次の仕掛けを用意している。」



数日後、王国はついに動いた。


中央魔法銀行(CMB)の総裁、グラン・リッツハルトが、王国広報の場で宣言した。


「これ以上、異端の貨幣を野放しにはできぬ。」


――マジックコインの全面規制が発表されたのだ。


「王都内での仮想魔法通貨による取引は禁止。違反者は罰金、もしくは禁錮刑に処す。」


町中に、恐怖と混乱が走った。


「な、なんだよ!? 昨日まで当たり前に使えてたのに!」


「魔力を燃やして掘ったのに……ただの無価値な魔法石だっていうのか!?」


値崩れは一瞬だった。

一日で、マジックコインの価値は十分の一に暴落した。


そして、俺のもとに憤怒した商人たちが押しかける。


「ふざけるな! お前のせいで、大損だ!」


「返金しろ! お前が造ったんだろ!」


だが、俺は静かに告げた。


「取引は自由意志だ。誰もお前たちに、買えとは強制していない。」


「貴様ァッ!」


怒り狂った商人たちが、俺に殴りかかろうとした、その時――


「……やめろ。」


フィリスが、商人たちの前に立ち塞がった。


「自己責任で買ったくせに、損をしたら他人のせいにする。お前たち、それでも商人か。」


「な、なんだと……!」


「レオン様は、マジックコインをただ作っただけだ。ルールを守れないのは、使ったお前たちだ。」


商人たちは、フィリスの気迫に押されて退散した。


俺は静かに礼を言った。


「……ありがとう、フィリス。」


「いえ。私は……あなたの次の一手が、気になっただけです。」


「次の一手……?」


「ええ。あなたは“暴落すら想定していた”顔をしていました。」


俺は、少しだけ笑った。


「……フィリス、お前は本当に賢いな。」



実は、俺は意図的にバブルを作り出した。


中央魔法銀行が規制することを予測し、王国の信用制度を揺さぶるために。


規制すればどうなるか――民衆は国の信用を失い、中央管理通貨の不安定さに気付き始める。


事実、暴落の翌日、マジックコインの一部は辺境地域で非公式に流通し始めていた。


王国の規制の届かない、自由市場が形成されつつある。


俺はフィリスに告げた。


「次に創るのは――中央集権ではない、“完全分散型魔法通貨”だ。」


「分散型……?」


「ああ。今のマジックコインは、俺が設計した魔法式に依存している。だが、次は俺さえも管理できない、“世界全体で動く通貨”を創る。」


「まるで……」


「まるで、この世界そのものが、俺の作った経済で動いているかのようにな。」


これは、まだ始まりに過ぎない。


仮想魔法で生まれた貨幣は、国家を、権力を、そして――この世界を飲み込んでいく。



第三章 中央魔法銀行 vs 分散型経済

中央魔法銀行(CMB)が王国全土に規制を敷いたにもかかわらず、マジックコインの火は消えなかった。


むしろ、都市部で取引が禁止されたことで、辺境や地下市場での流通は活発になり、人々は密かにコインを求め続けた。


中央管理の貨幣に不満を抱いていた冒険者、奴隷商人、辺境の農民……

法の届かぬ彼らこそが、俺の貨幣に“新たな価値”を見出したのだ。



「レオン様、例の計画……進んでいます。」


フィリスが運び込んできたのは、俺が密かに設計した新型通貨の魔法式だった。


「これが……**完全分散型魔法通貨、"マジックコイン・ネクサス"(MCN)**か。」


「はい。魔法式の根幹を各地の魔法結晶に分散し、検証者(ノード)は誰でも参加可能……しかも、中央に権限を持つ管理者は一切存在しない。」


「完璧だ。」


この“ネクサス”の最大の特徴は、俺ですら停止できないということ。


中央銀行も、王国も、そして俺自身も――この通貨を止めることは不可能。


通貨は、完全に自由になった。



それから一ヶ月。


辺境都市『レグナス』で、ネクサスの試験運用を開始した。


最初に飛びついたのは、冒険者たちだった。


「おい! ネクサスで取引したら、王国の監査が入らねえって話は本当か?」


「ああ。もう中央銀行の監視は届かない。魔法結晶ネットワークが分散し、王都の規制を受けない。」


「すげえ……これなら、もう好きに取引できるじゃねぇか!」


やがて、奴隷商、薬商、反王政の貴族、盗賊ギルド……

次々にネクサスに飛びついた。


たとえ闇の存在であっても、彼らの経済活動は一つの巨大な市場を形成する。


皮肉なことに、王国が締め付ければ締め付けるほど、人々は中央から離れ、ネクサスに群がっていった。



中央魔法銀行の総裁、グラン・リッツハルトは激怒した。


「……このままでは、王国の経済基盤が崩壊する。」


彼はついに、金融戦争宣言を出した。


「ネクサスの検証ノードが設置された都市に対し、王国は“魔法的制裁”を発動する。」


――魔法都市制裁令。


中央魔法銀行直属の制裁官たちが、ネクサスのノードが存在する都市を次々と破壊し始めた。


「これ以上、仮想通貨の拡散を許すな!」



だが――俺は待っていた。


「来たか、グラン。」


俺は、彼らがノード破壊に動くことをすでに予測していた。


「フィリス、第二段階だ。」


「了解です。」


俺が用意していたのは、自己修復型ノード(オート・リプリケーション・ノード)。


制裁官たちが破壊するたびに、魔法式は自動で別の場所にコピーされ、さらに五倍、十倍と分裂していく。


「破壊すればするほど、ネクサスは増殖する。」


「まるで……生き物のように。」


「そうだ。これが、俺が創った“自由経済生命体”だ。」


王国はパニックに陥った。


制裁官が破壊した瞬間、次のノードが別の都市に再生され、取引は止まらない。


逆に、ネクサスの信用は爆発的に高まった。



「……どうだ、これが“中央が存在しない経済”の力だ。」


俺は、中央魔法銀行の信用を、完膚なきまでに崩した。


王国民たちは、もはや法定通貨を信用しない。


商人たちはマジックコイン・ネクサスでの取引を最優先し、王国の金貨は“旧時代の遺物”と呼ばれ始めていた。



中央魔法銀行、最後の切り札。


それは、俺自身の暗殺だった。


「もはや、レオン・グレイフィールドを生かしておくわけにはいかぬ。」


闇ギルド、王国直属の暗殺部隊――あらゆる勢力が、俺の命を狙い始めた。


だが、俺は笑っていた。


「俺を殺しても、ネクサスは止まらない。」


「通貨は、俺を超えて“独り歩き”を始めた。」


もはや、世界は俺の掌の上にある。


仮想魔法は、笑われた異端ではない。

世界を動かす魔法だ。




第四章 暗殺者の夜と、信用の本質

中央魔法銀行(CMB)が最後に送り込んだのは、王国でも伝説級と恐れられる暗殺者だった。


名は――シャドウクロウ。


彼は、一度狙った獲物を必ず仕留めると噂される影の処刑人。

王国からの命令は、ただ一つ。


「レオン・グレイフィールドを抹殺せよ。」



その夜。

俺はレグナスの外れにある、仮拠点で静かに書類を整理していた。


(フィリスが無事にノード拡散計画を進めている……今、この瞬間にもネクサスは世界に根を張っていく。)


そんな時、不意に背後の空気が変わった。


「……やっと見つけた。」


振り返る間もなく、黒い影が俺に飛びかかる。


暗殺者――シャドウクロウだ。


剣戟が火花を散らす。


俺は最低限の護身魔法で攻撃を凌ぐが、シャドウクロウは恐ろしく速い。


「貴様のような男を、生かしておくわけにはいかん。」


「……随分と粘着質な連中だな。」


「中央魔法銀行に刃向かった者は、誰も生き延びていない。」


(……だが、それは“中央に依存していた世界”での話だろう?)


俺は魔法式を一瞬で描き、部屋中に魔法結晶ネットワークを展開した。


「俺を殺しても、ネクサスは止まらない。」


「いや、止めるさ。お前を殺したという“事実”が、ネクサスの信用を崩壊させる。」


……なるほど。

シャドウクロウの狙いは俺の命だけじゃない。

俺の死を公表することで、ネクサスは信用を失うと彼は考えている。


だが――


「……お前は、信用の本質を理解していない。」


「何?」


俺は魔法結晶に触れ、空間に浮かぶ魔法式に力を込めた。


「ネクサスは、もはや“俺の名”で動いていない。」


シャドウクロウの表情が一瞬揺れる。


「俺の死が流れても、ネクサスは止まらない。」


「そんなことが――」


「――人々はもう、“仕組み”に信用しているんだ。」



俺は、すでにネクサスの信用を**“レオン・グレイフィールド”という個人から切り離していた。**


自己検証、自己複製、自己管理。


誰が作ったかはもはや重要ではなく、

ただ、その魔法式が正しく動き続けること――それだけが価値だ。


「殺したければ殺せ。だが、お前の雇い主が望む結末は、もう手遅れだ。」


シャドウクロウは、一瞬だけ躊躇した。

だが、使命に殉じる覚悟を見せ、再び剣を構える。


その時――フィリスが部屋に飛び込んできた。


「レオン様、離れてください!」


彼女が投げた魔法符が爆ぜ、シャドウクロウの動きが一瞬止まる。


俺は即座に転移魔法を起動し、拠点を離脱した。



数日後、シャドウクロウが姿を消したという噂が流れた。

彼が任務を放棄したのか、別命を受けたのかは誰にもわからない。


だが一つだけ確かなことがあった。


――俺は、確かに生き延びた。


そして、ネクサスは世界に根付いた。



フィリスと俺は、レグナスの小さな酒場で静かに話していた。


「……王国も、中央魔法銀行も、もう止められませんね。」


「ああ。通貨は信用の塊だ。そして信用は、人ではなく“仕組み”に宿る。」


「レオン様がいなくても、ネクサスは動く。」


「そうだ。」


俺はグラスを傾け、満足そうに笑った。


「仮想魔法を笑った奴らは、今ごろどうしているかな。」


「……きっと、必死にネクサスを手に入れようとしてますよ。」


「皮肉だな。」



こうして、俺は異世界で、

“個人の力ではなく、仕組みで世界を支配する”ことに成功した。


もはや、権力者も、銀行も、王も――止められない経済。


仮想魔法は異端でも失敗でもない。

俺は、世界最大の貨幣ネットワークを生み出した。


だが、これはまだ終わりではない。


ネクサスの先に待つもの。

それは、世界統一通貨「オーバーネクサス」――国家の概念すら崩壊させる通貨。




最終章 経済無血革命「オーバーネクサス」

異世界最大の魔法通貨ネットワーク**マジックコイン・ネクサス(MCN)**は、

ついに王国の貨幣システムを完全に飲み込んだ。


王国の金貨は価値を失い、中央魔法銀行(CMB)は事実上の破綻。

いまや民衆は、誰も「中央の貨幣」を信用していない。


それでも、王は最後まで諦めていなかった。


「魔法帝国を築き上げた我らが、通貨ごときに敗れるものか。」


――王国は宣戦布告した。


彼らの最後の手段は、軍事力だった。


ネクサスのノードが集積された都市を一斉に焼き払い、

流通を物理的に破壊することで、通貨のネットワークを断とうとした。



だが、俺はすでにそこにいなかった。


俺は次の段階に進んでいた。


「フィリス。オーバーネクサスの立ち上げ準備は?」


「完了しています。試験ネットワークも、既に世界五十都市に分散済みです。」


「よし。」


ネクサスは確かに“分散型通貨”だった。

だが――オーバーネクサスはその上を行く。


俺が創り出したのは、「通貨そのものが移動しない」魔法式だった。



通常の貨幣は、物理的に運ぶか、所有権を記録で移転する。

だが、オーバーネクサスは違う。


魔法式がこの世界全体に同時存在し、誰もが世界のどこにいてもアクセスできる。

つまり、貨幣は「もはや形も、移動も必要ない」のだ。


「仮想魔法は、完全に物理から解き放たれる。」


「でも、どうしてそんな仕組みを?」


「王も、軍も、物理的に通貨を破壊しようとしている。だったら、“破壊できない通貨”を創ればいい。」


フィリスは息を呑んだ。


「……まさか、“国家そのものを通貨化する”つもりですか?」


「その通りだ。」


俺が目指したのは、

国家を超越した、世界共通の信用通貨。


貨幣を統一すれば、戦争は起きない。

通貨を通して世界が一体化すれば、誰も争う意味を失う。


俺が目指したのは――経済による無血革命だった。



王国軍が動き出した。


ネクサスのノード都市を次々に侵略し、制圧しようとした。


だが、その頃には、通貨は既にオーバーネクサスへ移行し、

すべての価値が「空間」に存在していた。


「都市を焼き払えども、通貨は消えない。」


「所有者の“魔法式署名”が、この世界全体で共有されている限り――我々は止まらない。」



そして、ついに。


世界各国の商人ギルド、大陸各地の都市国家、

さらには王国の地方貴族すら、オーバーネクサスでの取引を開始した。


国境を越え、言語を越え、種族を越え――

通貨が一つに統合されていく。


「王よ。お前が守ろうとしたのは、旧時代の象徴だ。」


「通貨が一つになれば、国家という概念は……意味を失う。」


俺の言葉は、もはや宣戦布告ですらなかった。



数年後。


異世界は、通貨の統一とともに、戦争という仕組みそのものが消滅した。


軍隊を動かすには、通貨が必要だ。

だが、統一通貨を停止させれば、敵も味方も共倒れする。


「争う理由が、消えたんだよ。」


中央魔法銀行は消え、王国は形式だけの存在となった。


人々は自由に交易し、冒険者たちは通貨の枠に囚われずに旅を続けた。



「レオン様、本当に……これでよかったんですね。」


酒場で、フィリスが微笑む。


「俺は……“異世界のビットコイン”を作りたかったわけじゃない。」


「?」


「本当に作りたかったのは、“争わない仕組み”だ。

経済で世界をひとつにすれば、戦争も、差別も、きっと超えられる。」


「……素敵な理想です。」


「理想は現実にするためにある。」


俺は、かつて仮想魔法を笑われ、

世界に捨てられた。


だが、いまこの世界は、

俺が創った“魔法”で回っている。


仮想魔法は、夢じゃない。


現実を作り替える力だ。



「ところでフィリス、次は“未来を予測する魔法式”を作ろうと思ってるんだ。」


「え?」


「経済が安定した次は、未来予測だろ。」


「レオン様……あなた、本当に止まらないんですね。」


俺たちは、また次の世界へ歩き出す。


誰にも止められない。

だって、俺たちは――自由だから。



 ――完――

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仮想魔法をバカにされた俺は、異世界でビットコインを作って世界経済を支配する 雪風 @katouzyunsan

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