駅の階段
@kfujiwarajp2000
第1話 ラッシュの駅
小学3年生の頃よく同じ夢を見た。乗換駅の高架橋の階段に自分はしゃがんで階段に横たわる男性を落ちないように支えている夢だ。ほかにも数人が周囲を囲んでいるが、通過する客も多く邪魔になっている。だから男性が踏まれないように見守っているのだ。男性は顔色が悪くもう死んでいるようだ。救急隊が来るのを待っている。という夢だ。なぜか「亜麻色の髪の乙女」と言う曲が聞こえている。
小学校の頃は電車で大学付属の小学校に通っていた。たまたまくじ引きを母が当てたからだった。場所は引っ越す前は旧市街で、小学校まで徒歩で16分だった距離だが、夏のアスファルトが燃え滾る暑さの日には帰宅するまでに熱中症手前の状態で、ぐったりする日が多かった。2年生になる頃、父は借家住まいがみっともないと思い、有名なお寺のある郊外の西の地区に新築を建て引っ越した。土地は親せきの田圃を造成したものを譲ってもらった。それ以来電車とバスを乗り継いで50分かけて通う通学が始まっていた。
その夢はその電車の乗換駅の渡り廊下の階段にいる夢で、上から10段ほどに位置するところに男性が横たわり倒れている。自分は男性が転がり落ちないように下から支えている。そんなシーンだった。
いくら待っても救急隊が来ない。男性の顔色は悪い。意識もない。かなりしてから点滴と酸素マスクをもってヘルメットの救急隊が3人到着するが、ボソボソ話をして、あきらめて戻って行ってしまった。
それからかなり時間がたち、担架を持った3人が戻って来て周囲に声をかけ開けさせて男性を運んで行った。
夢は途中で切れることも有ったが、おおむねこんなストーリーだった。この夢を10回以上見て何の意味が有るのかと考えたが答えは無かった。聞こえてくる曲は途中から「小さなスナック」に代わっていたことだけ覚えている。
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