海のぞむ頃　

ビルの間に瞬き返す火を眺めモールス知らなくても揺らいで

垂れた糸をねじるへべれけ二つ目のボタンを舌に乗せてください

息継ぎが下手だと笑い合ってみる浜辺の跡をなぞりながら

白い鳥が飛んでいった夢うつつ遮光カーテンの先のしゅうまつ

カラスがさえずりを口ずさめたなら点滅を行く手を解けた/の

絶え間ない波に気づかぬふりをしてデスクトップは青々ときらめき

・先日の愛のありかは　アジェンダに寄せては消えて今日は何日

湯上がりの鼓動で夜とふたりきりこぼれた夢のかけらあげちゃう

100均の曲がったボタンを照らす国営のヴェネチアいつかあなたと

ブラウスとボタンの淡いに凪ぐあの頬に似た夏にまた目を細め