ご注文はQR講堂からお願いします

クライングフリーマン

ご注文はQR講堂からお願いします

 ========= この物語はあくまでもフィクションです ========

 私の名前はアキコ。恋人のシンと東京・関東爆発展覧会にやってきた。

 色んな『プラネット』を見た後、お腹が減ってきた。

「ネエ、シン。お昼にしようよ。」

「そうだね、お腹減ったね。カレー羅井須あるかな?」

 私達は、とある食堂を選んだのだが、やたら広かった。

 今見てきたプラネットみたいだ。

 入口に、こう書いてあった。

『ご注文は、QR講堂からお願いいたします。』

 その立て看板の後ろの壁。白くてだだっ広い壁に地図があった。どうやら、その壁に見えたモノは、改装中の店だった。地図の隣に、営業休止理由が書いてある。

『大量のハルタンが発生したので、保険極の許可が下りるまで営業停止しております。駆除は全て完了しておりますが、検査が終了するまで、支店の方をご利用下さい。』

 仕方が無い。私達は順路通りに進んだ。

 しかし、何故『講堂』が沢山あるんだろう?

 ABC講堂、DEF講堂、GHI講堂、JKL講堂、MNO講堂、QR講堂、STU講堂、VWX講堂、YZ講堂・・・あれ?貼り紙を思い出して妙な疑問が湧き出てきた。

 なんで、P講堂がないの?

 それに、学校の再利用なら、『教室』の筈だが?

 15分かかって、ようやくQR講堂への扉の前に辿り着いた。

「ちょっと待って、シン。」

 私は昔の癖が出て、やたら扉が並んでいる、この場所を端から写真に撮って行った。

 問題のQR講堂に戻ると、何故か『PQR講堂』になっていた。

「誰か悪戯して、取ったんだよ。あの貼り紙は、この場所で確認して作ったのに違い無いよ。」

 納得はいかなかったが、私達は入って行った。

「職権販売機」なるものが、でんと鎮座していた。

 シンが小銭を入れて、ボタンを押そうとすると、どれにも『カレー羅井須』と書いてある。

 クビを傾げながら、シンが真ん中のボタンを押すと、コック姿の男が出てきた。

「どのトッピングにします?」

 よく見ると、自販機の下に、色んな虫が這い回っている。

「今日は、トッピングなしでいいわ。」

 私がそう言うと、「毎度ありぃ。」と言って、男は消えた。

 テーブルに着いた私達の前に、皿に乗った『カレー羅井須』がテーブルの中から迫り上がってきた。

 シンがスプーンを使って『カレー羅井須』を平らげると、急に走って行く。

 私も、追い掛けて行った。

 そこはプラネットの外だった。

 シンは「しゅわっ!!」と言って、手に持ったスプーンをかざした。

 すると、シンは巨人になった。

 私も真似て「しゅわっ!!」と言ったら、巨人になれた。

 一緒に飛びながら、私はシンに尋ねた。

「どうして、こうなるの?」

「分からない。分かっているのは、我々は、QR行動を起こしたに違い無い。Quick Response行動だ。」

 よく分からないが、私達は飛んだ。


 気が付くと、会社の同僚、上司がいた。

「よく眠っていたね、武事君。」「涎、垂れてたよ、武事君。」

 アラームが鳴った、同僚と上司は出て行った。

 シンは私にスプーンを渡して走って行った。

 私は、インカムを装着した。

 ―完―





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