夏光リフレイン

【01】

　海開き 前の駅にて 君を待つ

　午前六時の 潮の匂いす

【02】

　朝焼けに カメラ向ければ 露光過多

　白く溶け出す 去年の誓い

【03】

　路線図を 折って作った 紙の舟

　ホームに残る 汽笛の余熱

【04】

　踏切の 赤の点滅 足を止め

　小さな町の 時が流れる

【05】

　浜通り ごみ収集車 ゆっくりと

　スピーカーから 童謡こぼす

【06】

　貝殻を 耳に当てれば 地下鉄の

　ブレーキ音が 淡く混じった

【07】

　昼下がり 砂に伏せたる 水の瓶

　海の恵みが 夢を映した

【08】

　夕立の 雲を追い越し バス揺れて

　冷えたシートに 腕跡重ね

【09】

　夜の浜 コンビニ灯り 背に流れ

　遠雷ひとつ 君の名をよぶ

【10】

　零時過ぎ 駅の掲示に 終電の

　文字が点滅 まだ帰らない