第4 神の一言は、五日分の酸素でございます ──コメントが命を繋ぐ話


 神よ。

 再びのご来訪、誠にありがとうございます。



 ……はい。そうです、あなた様の事でございます。

 何度も言うようですが、あなたは神なのです。



 さて本日は──

 創作者が、たった一言のコメントでどれだけ生き延びているかという、

 実に人間臭く、実に醜く、実に……愛おしいお話をさせていただければと存じます。


 



 まず、ひとつご質問を。

 あなた様は、コメントを残されたご経験はございますか?


「続き楽しみにしてます」

「更新嬉しいです!」

「このキャラ好きです」


 ……たった、それだけの一文。


 ──ですが。


 創作者は、それで五日間は戦えます。


 



 ご存知ないかもしれませんが、

 創作という営みは、非常に酸素濃度の薄い場所で行われております。


 孤独。

 疑念。

 誤字。

 ランキングの圏外。

 そして、通知ゼロ。


 そんな酸欠空間において、

 神──すなわちあなた様から届く、たった一言のコメント。


 それはまさに、

 ""「深海に届いた空気の泡」""なのでございます。


 



 創作者たちはその泡を、両手で包み込み、

 目を潤ませ、十回読み返し、

「スクショ」して「保存」して「壁紙」にすらします。


 誇張ではなく、現実でございます。


 



 神よ。

 もちろん、コメントを強いるつもりはございません。


 あなた様の“本音”でなければ、意味がないのです。

 それは、第一話でも、第二話でも申し上げた通り。


 しかしながら、もし──ほんの少しでも、

「面白かったな」

「続き、気になるな」

「ちょっと応援したいな」


 そう思われましたならば、

 どうか、たった一言でも構いません。

 あなた様のそのお言葉を、我々に、恵んでいただけませんか?


 


 それだけで、また五日間。

 息ができるのです。


 



 本日も、お越しいただきありがとうございました。

 こうして読んでいただけることが、何よりの喜びでございます。


 神よ──

 次にあなたが放つその一言が、誰かの命を繋ぎます。


 ではまた、次回お目にかかれますことを、心より願っております。

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