騒声

夜、自室にいると、外から若者の声が聞こえてくる。

笑い声、大きな話し声、缶を落とすような音。


よくある夜の騒音だと思ったが、どうも距離が近い。

まるで、自分の部屋のベランダで騒いでいるような響き方だった。


カーテン越しに気配はない。

外を見ても誰もいない。

それでも声は、どこからともなく続いていた。


耳鳴りのように、しばらく部屋の中に残っていた。


窓を開けて外に出ると、不自然なほど静かだった。


メモ

声の聞こえる時間帯はいつも決まっている

録音しようとした夜だけ、音が途切れた

ベランダの手すりに、薄く水滴の跡が残っていた

隣室は数ヶ月前から空き部屋になっている

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

毎日 23:00 予定は変更される可能性があります

Backlet 記録 @gonShimo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ