ゼルダのりょーごの異世界ライフ
ゼルダのりょーご
第1話 異世界召喚を受けたので、とりあえず前説する作者
突然、異世界にやって来た。
今は頭を整理する時間が必要で立ち止まっている。
先程から周囲を気にしているが村の入り口らしきアーチが見えている。
周囲は木組みの壁に覆われているが、見上げれば家屋の屋根が見える。
風景は非常にのどかだ。その村の入り口に立たされいた。
きっと、そこから自分に課せられた物語が始まるのだろう。
こちらへやって来る前のことはよく覚えている。
べつに死んだわけではない。これは異世界転移なのだ。
俺は異世界召喚を受けたのだ。
この世界のどこかに魔王なる存在がいる。
そいつを討伐し、排除すれば元の世界に戻してもらえる。
神はそれが望みだと俺にそのように説明した。
魔王軍みたいなやつが世界の住人を苦しめている。異世界といえばそれに尽きるな。
魔物と戦うファンタジー異世界。普段から憧れている。
魔物は世界中にあふれていて、俺は人類側で奮闘していくのだ。
転移なので巻き込まれの可能性もあるけど、その詳細は知らない。
言えることは、夕暮れの帰り道で空から声がして──間もなく暗転した。
気づけば俺はこの場に飛ばされていた。
聞こえた声の内容に「おまえも異世界召喚に応じろ」という言葉があった。
数多の召喚をしているようで、俺はそのうちの一人だ。
「なーんだ……俺じゃなくてもいいんだ」
がっかりしたわけじゃない。ただ全面的に自分一人の責任じゃないことにほっとしたのだ。世界平和イコール魔王討伐の任が自分には重すぎて。
魔王の討伐はそのうちの誰かが成し遂げればいいみたいだ。
だから拒否はしなかった。スローライフをしていてもOKなら、気が楽だし。
ただ神が確かに言っていた。
意外と誰でもいい訳じゃないって。
君だから誘ったんだ、と。
恐れながら聞き返した。
「なんで……俺なんですか?」
異世界ファンタジー小説を書いているであろう。
素直に「はい。趣味の範囲ですが」と答えた。
選抜された理由がたったそれだけなのか。書いてる人なら星の数ほどいるだろ。
神は、『何もくれてやれぬが君なら生きていけるはず』。
そして続けて、『スキルは絶対、何もあげない』といった。
念を押す様に2度、それを強調する。
やはり気になることは聞き返したい。
「スキルは、ナシなのですか?」
その返答に『君はすでに持っているだろう』と神は言う。
おかしいな、この様なことは初体験だ。
抵抗するわけではないのだが。どうしても覚えがない。
「異世界転生とかは未経験だから持ってるはずない……ですけど」
本件を拒絶する権利はない。
神が本人に告知した以上、俺にはやる以外の選択肢はない様だ。
異世界召喚を拒否すると「死」を与える。計画を知った者は生かしておけない。
『理不尽に思うかもしれぬが、請け負うのだ。いずれ生還できる』と。
つまり、生き抜く知識がすでにある者を選んで送り込んでいる。そう聞こえた。
選ばれたなら受けてみるか。憧れの異世界だからな。
とりあえず、そこに見えている序盤の村に行き、いろいろと聞いて見るか。
「俺の創作力か……何かを自分で生み出すクラフト系かな?」
俺が選ばれた理由があるなら、今後なにか気づけるはずだが。
冒険者をやるみたいな雰囲気だ。それは悪くない。
スキルなしはただの人間だ。どうせ無一文だろうしレベル1から始まるならゲーム感覚が大事になるな。
だが、たとえ生きていけても辛いことばかりだと俺はすぐに心が折れてしまう。
俺は「熱しやすく冷めやすい性格」なのと人見知りで意志が弱いんだ。
すでに長続きする気がしていない。
冒険に飽きてしまったら、モブに徹してダラダラとぼっちライフでも送ろうか。
ゲームだったら序盤はどうする。
そんなの決まっている。
自分なりに楽しみを見つけてコツコツとやるだけだ。よっしゃあ!!
前説だから気合を見せようと意気込んでおく。
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