同僚と一緒にダイエットすることになりました。
ハンナ
第1話 同僚とダイエットすることになりました。
「なぁ、俺とダイエットせーへん?」
「なんでよ。」
「え、だって痩せたいんやろ?」
「う、まぁ・・・。」
「同窓会で太ったって昔好きなやつに言われたんやろ?」
「う・・・まぁ。」
「じゃぁ俺とダイエットせーへん?」
「いや、だからなんであんたと一緒にダイエットしないといけないのよ!」
社内食堂で日替わり定食を仲の良い女性の同僚と食べながら話をしていたら、突然私の後ろの席に座っていた森山透が乱入してきた。
「いや、いつも悔しがっても痩せてる気配ないし。それに一人より二人でやった方がこーゆーのって良いやん。」
「痩せる気配がないは余計なお世話ですー。」
「だって事実やん。」
「うっさいわ!」
「え、でもなんか面白そう!二人がやるんなら私もやろうかなぁ。」
「「ちょっとキラキラ女子は黙って。」」
仲の良い女性の同僚、友美が仲間に入れてよ宣言をしてきたが、森山と一緒にピシャリと一喝してしまった。そもそも友美はスレンダー美女でもうダイエットなんて必要ないのだ。というかきちんとジムに行かれているような人である。
いやほんと、気だけは合うんだよなーコイツと。・・・それが余計腹立つんだけど。
森山の方をチラッと見て、私は盛大にため息を吐いた。
「なぁなぁまたその昔好きだった人に会うかもしんないじゃん?そん時にまた更に太ったねって言われたくなくない?」
「本当にあんたは的確に嫌なところを突いてくるわね!」
だから仕事できるんでしょうけど!!
そう、コイツは仕事はできるのだ。しかも先輩にも後輩にも明るい性格っていうこともあり好かれていた。だから決して悪い奴ではないということは知っている。知っているが・・・。
「お互いぽっちゃり同士さぁ、ちょっと助け合いましょーよ。三日坊主さん。」
「だから一言余計なんだわ!」
「本当、夫婦漫才見せられてるみたい。」
「それやめて。」
ふふふと友美が笑っているの見て私はキッと友美を睨んだ。全く効果なかったけど。
「でもさー俺ら三十路過ぎたアラサーじゃん、もう数年後にはアラフォーよ?んでもって着実に痩せにくい体になっていきまっせー。」
「うっ、、、、。」
本当にグサグサくるなぁ。でも・・・。
「だったら自分の友人か、仲の良い男性の同僚の人とダイエットすればいいじゃん。」
「無理無理無理!だって俺の友人とか仲良い同僚って何故か俺以外みんな鍛えてるかスタイルいいやつばっかで、一緒にやったらコンプレックス爆発しそうなんだよ。」
「え!なんで!?なんでそんな人たちばっかりと友人なの!?」
「まぁ俺、心がイケメンだからかな。」
「黙れ。」
「いや、でもマジで俺も中村も痩せたいって思っているわけじゃん。お互いめちゃくちゃいいタイミングだと思うんだよね。」
「うっ・・・。」
そうだ、確かにお互い今まさに痩せたいと思っている。意外にそういう人って近くにいなかったりする。
「どう?一緒にダイエットしたくなった?」
・・・・こいつ、さすがやり手の営業マンである。
だから営業マンって嫌いなのよ。・・・・でも。
「・・・いつまで?」
私がそういうと森山の目がきらりんと光った。
「半年!お互い協力して頑張りません?」
「・・・・乗った。」
そう言って私はガックリ項垂れた。その横で森山はいえーいっと大袈裟に喜び、友美はいーなぁとのほほんと言っていて、きっと側から見ればカオスだったと思う。
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