第7話
「また討伐依頼、達成おめでとうございます!『白銀の剣』、本当にすごいです!」
ギルドに戻るたびに、リリアは満面の笑みで俺たちを出迎えてくれる。その声には心からの喜びがこもっていて、俺は不思議と温かい気持ちになる。セシリアはいつものように淡々と報告を済ませているが、その表情には以前のような硬さはもうない。むしろ、どこか満足げに見える。
俺たち『白銀の剣』のパーティーランクは、この数週間でみるみるうちに上昇していった。セシリアの騎士としての経験と、実戦でさらに磨きがかかった剣技は、どんな魔物も容易く倒した。俺は相変わらず魅了スキルを戦闘に使うことはできないが、セシリアが戦っている間に周囲の警戒をしたり、魔物の素材を回収したりと、できることをこなしていた。それに、俺が隣にいるだけでセシリアが落ち着いていられるなら、それで十分だ。
セシリアがリリアにギルドカードを差し出す。リリアは手際よく計算を済ませ、金貨と銀貨の入った袋を俺たちに渡してくれた。
「わあ、たくさんですね!これでまた、色々なものが買えますね!」
リリアは本当に嬉しそうだ。リリアの目は、俺を見るたびにキラキラと輝いている。
◇
ある日、俺たちが依頼から戻ると、リリアがいつも以上に興奮した様子で駆け寄ってきた。
「ケンタさん、セシリアさん!私、お願いがあるんです!」
リリアは顔を真っ赤にしながら、俺たちに真っ直ぐな視線を向ける。
「お願い?何だよ?」
俺が尋ねると、リリアは一度深呼吸をして、真剣な顔で言った。
「私、もっとケンタさんたちの力になりたいんです!だから……『白銀の剣』の専属受付になりたいんです!」
彼女の言葉に、俺とセシリアは顔を見合わせた。専属受付は、ギルドでも特に実績のあるパーティーにしか認められないものだ。俺たちのパーティーランクは確かに上がっているが、まさかリリアがそこまで考えていたとは。
リリアは俺の顔をじっと見つめている。その瞳には、強い決意が宿っていた。
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