第11話

 いつもの悪ふざけならまだ許せる。

 けど、限界だ。 怒りをぶちまける。

「お前な………いい加減にしろよ!」

 怒鳴る俺を見てきょとんとした表情になったかと思うと、いつものいたずら顔に戻る。

「え?何でそんなに怒ってるの?

 ミケ可愛いかったのにぃ」

 あははは、と笑う。 ふざけんな!


「やっていい事と悪いことに区別ぐらい、つくだろうが!」

 そう言うと背中を向け、溜まり場から去ろうとした。

「ミケ…ごめん」

「……」

 付け上がられても困る。だから放って置いた。

「ごめんね」

 振り向いたら負けだ。

「……」

 だんだんと小声になる。 だめだ、振り向くな。

「ごめんなさい、もういたずらはしないから…」

 …許そうか、と思って振り返った時。 

「……」


 諦めたように、うつむいて溜まり場から出て行った。 

 やりすぎたか? けど…。

 胸がチクン、と痛んだ。

 

 いや…でも…しかし…。

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