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第8話 ピアノ
ピアノ
亡き君を
想うて聴けば
ひろがりぬ…
ピアノのおとが
したたる海原（うなばら）
～～～～
ふりやまぬ
ピアノ音の
宇宙がキラキラ
脳内に
さんざめく海よ
ピアノの音よ
～～～～～～～～
あふれくる海
ピアノの旋律
あたたかい
ピアノの音の
広がる宇宙
さんざめく
音の羅列（られつ）よ
君のおもかげ
ユーミンの曲
音の旋律
バラードにして
おおきなえくぼ
ソプラノの
ファルセットゆれて
君のえくぼ
モーツァルトの
魔笛（まてき）をうたう
*
音楽にまつわる短歌。
彼女がなくなって2～3ヶ月後…。ある日、YouTubeで、ピアノの曲を聴いていたとき、突然ピアノの音が、宇宙から降ってきたようにキラキラして、あまりの美しさに号泣してしまったことがある。その後、何曲も号泣しながらピアノの曲を聴いた…。
このゾーン体験は、午前中いっぱい続き、ピアノの音の美しさに開眼した覚醒体験のようになった。
おそらく、彼女は、ピアノが好きだったので、彼女にとって、ピアノの音はこんなにも美しく感じられていたのであろうと思いいたった。
いまは、ゾーンをはずれてしまい、そのようなことは起こらないのだが…。
美しい不思議体験である。
*魔笛（まてき）とは、モーツァルトのオペラである。
彼女は、ソプラノ担当。
高校の音楽の授業でした。
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