金閣寺読了
あまるん
第1話 金閣寺は飛ぶ
三島由紀夫先生の金閣寺を66分で読了する未来が来るとは思いませんでした。
元々読むのは速読自学自習でやってたから早いのですが(熟読ではなく読書程度ですよ)金閣寺は結構文体の圧がすごくて、結構拾い上げるのが大変だったんですよね。
文体の中に構成されている階層で言えば一段目しか読んでないのですが、その一段目の下にあるプログラム部分みたいのが見えて、なるほど、映画みたいな仕掛けになってるのか……と解析しました。三段目に本当の人々が圧倒された基層があるな…とは思いますが私そもそもそこに共感することがないタイプの熊です。
これもNo Book No Lifeの感想を書いてありうる三島の形を掴んでたのがよかったと思います。
構造としては浅野さんの音楽がプログラムの作り方として近かったです。
後主人公の感情の高まり感、千織さんが三島と同じ道を歩いているなと思いました。見える光景については外の景色を見てるところ、藍沢さんが非常に近い、目線が近いという印象を受けました。中里さんはそこをかいてたのか、と驚きました。あとは基層の共感を誰かプロデュースすると金閣寺建てられるなぁと感じました。
(他の皆さんもそれぞれの三島を出してる感じがありましたが、何回か読んだことがある文体でないと比較できない、酔っ払いみたいなものなので言及しないこととします)
感想は目の前で金閣寺が歪んで動き、金閣寺と一体化していく人類の気持ちになれたことが面白かったです。火をつけて燃える金閣寺を見て想像以上に彼は落ち込んでいないと感じるのは私目線だからでしょう。
でもこの一読で金閣寺飛んでくる!みたいな感覚が凄かったです。金閣寺、本当に飛ばすとは…三島由紀夫先生やばいな……この三島由紀夫先生の現実に介入してくるプログラムとしての言語…あと何年か生きてコンピュータを見たら喜んだでしょう……。
目の前で金閣寺が美しく舞い上がり、その影に濃い絵の中にある表現しきれない影があり燃え上がる金閣寺の中に今回書いた天井画の話が見えました。
天人五衰描こうとしたとかにイメージがいくつか浮かび、その中に天井画があったのですが、この燃えてるやつそれだ……みたいな気持ちになりました。
金閣寺を読んだことで金閣寺の中の世界を歩き回ることができるのですが、三島の作った金閣寺は柔らかく動きます。
そして三島の文体は特殊だとおもったら普遍性の塊なのが驚きました。誰の文体からも部分部分三島がある。これは三島が古典研究などを通して、日本の文体の系譜を三島が取り込んだ。これが私たちの中にあるそもそもの部分的な系譜のはしきれを三島が編み上げたと言えるでしょう。
ノーベル文学賞を取ったカイロ三部作のエジプトのナギブマフフーズが評価を受けた理由も普遍性でした。
読了後、もう私の見る金閣寺は三島が与えたプログラムから離れられない。テーマを与えるなら美しく完璧に。三島を読むことは日本の文学の系譜を味わうことと思って良い、そう感じました。
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