夜桜子

Rie

― 火遊び乱れ咲き ―

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しゅる しゅる しゅる

帯が落ちて 夜が始まる

胸の奥に 灯る紅(くれない)


 


とく とく とく

熱が昇る 芯が疼く

抱かれるたびに 嘘が増える


 


くち、づけて

名を呼ばれて 声も染まる

わたしを愛して 奥の奥で


 


はら はら はら

髪が散って 爪が走る

花喰う夜は 妖しく乱れる


 


すう すう すう

寝息のふりで 肌を盗む

愛か、執着か まだわからない


 


 


―――昼は微笑み、夜は火花

女はそうして 咲いて散る



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夜桜子 Rie @riyeandtea

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