第2話 おばモンこうえんのキャンプじょう
マサたちは じてんしゃを てで おしながら キャンプじょうの なかに はいった。
2かいだでの たてものの げんかんは あいていた。
10だいくらいの じてんしゃが とまっている。
なかに はいると……
リンリンリ〜ン。
すずのおとが ちかづいてきた。
「こんにちは〜!」
チョコレートいろの ウサギのような おばモン チェルリンが でてきた。
シカのと そっくりな ツノが はえていて 2ほんあしで たっている。
しんちょうは マサの ひざ くらい。
ツノには シャインマスカットいろの はっぱが たくさん ついている。
クリスマスツリーのように いろいろな かざりや すずも ついている。
リンリンリン リンリンリーン。
ツノに ついている すずから リンリン リンリン おとがする。
チェルリンは うるうるした シャインマスカットいろの ひとみで マサたちを みた。
リンリンリ〜ン。
チェルリンは すずを ならしながら スキップしている。
「おかしを たべたり ジュースを のんだりしててね。もうすぐ はじまるから」
ひろま には きのテーブルが 3れつ ならんでいて おかしや ジュースが おかれている。
たくさんの こどもたちが いた。
1かいには てんじょうが なくて 2かいの てんじょうが みえる。
2かいの たかさ まである おおきな まど から そとに ならんでいる きが みえる。
「よろしく おねがいしまーす」
ケータが げんきよく いった。
「よろしく〜!わたしは エリール」
イスに すわっている エリールは テーブルに おかれた 1まいの かみを マサたちに わたした。
そこには 24にんの なまえが ならんでいる。
「なまえの よこに マルを つけてくれる?」
エリールの かみのけは おとこのひと のように みじかい。
ちゃいろの ひとみは ガラスだま のように キラキラ。
かみのけは ひとみと おなじ ちゃいろだった。
もう ほとんどの なまえの よこに マルが あった。
「にもつ おいてきなよ。チェルリンちゃ〜ん 3にんを バンガローへ つれてって あげて。202のカギだよ」
エリールは チェルリンに カギを わたした。
「こっちだよー。ついてきてー」
チェルリンは あたまを みぎに ひだりに ゆらゆら ゆらゆら。
リンリンリーン リンリン リーン リーン。
すずのおとがする。
かんりセンターの すぐちかくに バンガローと よばれる たてものが 5ケン ならんでいる。
それぞれの バンガローの まんなかは ウッドデッキに なっていて、テーブルと 8つの イスが おかれていた。
ウッドデッキを はさんで げんかんが よこに 3つ そのむかいに もう3つ。
1ケンの バンガローに 6つの へやが あった。
202のへやに リュックを おいて ひろまに もどった マサは まどの ちかくにいる クラスメイトの シューと フッちゃんと キタさんに こえを かけた。
「あれ イッシーたちは?」
マサは ひろまのなかを キョロキョロ みまわした。
「きょうは きてないよ。べつのひに したって」
くろいまるメガネを かけた キタさんが こたえた。
キタさんは あたまがいい。
おとなに なったら きっと はかせに なると クラスメイトたちに いわれている。
おしゃべりが すきで ほっておくと ずっと しゃべっている。
「マサは いつも ちこく ギリギリ だなあ」
フッちゃんが わらった。
フッちゃんは しょうがっこうのなかで いちばん せが たかい。
「はやく バトル したいなあ」
シューは まほうを だす ポーズをした てを マサに むけた。
シューと マサは しょうがく2ねんせいの ころから ずっと おなじクラス。
シューは しょうがく2ねんせいのときに てんこうせい として やってきた。
かっこいいし おもしろいから あっというまに クラスの にんきものになった。
ここは 150ねんも まえからある キャンプじょう。
こどもたちの かぞくも なんにんか きている。
ここで おばモンつかいに なった おとうさんは しょうがくせい だったころの きもちに タイムスリップしてしまった。
よこにいる おじいちゃん おばあちゃんを みていたら わかいころの ふたりの すがたを はっきり おもいだした。
リンリンリン リンリンリン リーン。
24にんの こどもたちが あつまる ひろまに すずのおとが ひびいた。
チェルリンは ジャンプしたり あたまを ゆらゆら。
ツノについている すず から リンリン おとがする。
チェルリンの よこに……あおいろの まるいワープゲートが できあがった。
そこから アライーゴが ジャンプ してきた。
アライーゴは このキャンプをひらいた ひと。
みずいろの ほうせきの つぶが はいった ぎんいろの メガネを かけている 40さい。
ジャラジャラ おとがする ぎんいろの ネックレスを つけている。
そのネックレスには じゅうじかの ペンダントが ついている。
じゅうじかには いろいろな いろの ほうせきが はいっていて にじいろに ひかっている。
チェルリンは パチパチパチと ひとりで はくしゅ している。
「どうも〜!アライーゴで〜す!カンパーイ!」
アライーゴは コップを もって オレンジジュースを グビグビゴクゴク のんだ。
こどもたちも グビグビ ゴクゴク。
「キャンプファイヤーするよー。ついてきてー」
アライーゴは そういって そとに でていった。
キャンプじょうは おかの うえに あったから みぎも ひだりも くだりざか。
マサたちは きたときと はんたいがわの さかを おりていった。
さかを くだり おわった すぐの ところに ドーナツひろばが あった。
いしのタイルが ドーナツのかたちに なっている。
たきびが ボゥボゥ。
ドーナツの かたちをした いしのタイルの まんなかで。
うたったり おどったり していると……
「きみたちの うたや おどりが ぼくを よんだ!」
ほのおの おばモンの ファイフーが たきびの なかから でてきて りょうてを ひろげた。
くまのように おおきな からだの ファイフーは たきびと からだが つながっていて あしが なかった。
にんげんの おじさんのようにも みえる。
ファイフーは よぞらを ゆびさして えいっ えいっ えいっ とさけんだ。
すると、にじいろのくもが よぞらに いくつも あらわれた。
「フレーフレー ファイト〜!フレーフレー ファイトー!ふーれふれ ふーれふれ ふーれふれ にじいろの ひかり〜!」
ファイフーは よぞらに うかぶ にじいろの くもに むかって さけんだ。
すると、にじいろのくもから にじいろの ひかりのつぶが ふってきた。
こどもたちは その ひかりの つぶを からだじゅう いっぱいに あびた。
「みんなのこころが ゆめと きぼうで いっぱいに なりますように」
ニコッとした ファイフーは たきびの なかに とびこんで いなくなってしまった。
くらくなった キャンプじょうの あちこちで ランプのオレンジいろの ひかりが ゆらゆら ゆらゆら ゆれている。
ほっと できる あたたかい ひかりだった。
キャンプじょうの あちこちに テーブルが いくつも おかれている。
マサたちは そとに おかれた テーブルで、ふわふわの たまごが のった オムハヤシライスを たべた。
マサと ダイキと ケータは いっしょに たべた。
あちこちの テーブルから おしゃべりが きこえてくる。
マサたちは かんりセンターの 1かいに ある おおきな おふろに はいった。
おふろあがりの よみちの かぜが きもちいい。
もりが ざわざわ ざわざわ。
マサは バンガローの へやに はいった とたん バタッ と ふかふかの ベッドに ひっくりかえった。
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