【補足②】主要組織

・怪奇庁

 第二次世界大戦後、GHQの管理下で設立された超常・怪異対策の中央官庁。

 敗戦国としての日本が、再建期において国内の「非科学的脅威(オカルト)」の制度的管理を求められた結果、誕生した。

 当初はオカルト技術の政策立案・対応・教育・調査など広範囲にわたり担当し、超常行政の中枢を担っていた。


 同じく戦後に発足した日本超常能力協会(JPAA)は、怪奇庁の外郭機関として設けられ、超常技術の実務的ライセンス発行・教育訓練などを担っていた。


《衰退の経緯》

 しかし、戦後復興とともに戦前より存在していた秘匿機関が徐々に再建・制度化されると、

 怪奇庁の権限は徐々に秘匿機関およびその監督下にあるJPAAへと吸収・分割されていく。


 さらに、第三次世界大戦によりオカルトが全世界に露見。

 これを契機に、各省庁が独自のオカルト対策部門を持ち始め、怪奇庁は時代遅れの組織と見なされるようになった。JPAAの所管も別省庁へ移される。


 結果、現在では「オカルトのゴミ箱」として、他省庁で処理不能物品の再鑑定と倉庫管理だけを任される、名ばかりの行政機関となった。


・怪奇庁第三課(収蔵課)

 通称「オカルトのゴミ箱の中のゴミ箱」。

 他省庁で処理・研究されたオカルト物品のうち、なお由来や用途が不明なものが、最後に送り込まれる部署。

 物品管理室、再鑑定室、分類室の三室から構成され、再鑑定や長期保管が主な任務とされている。また、非公開指定・重要指定を受けた物品の臨時処理にも対応しているが、その実態は、ほとんどが地味な“倉庫番”業務である。

 第三課は慢性的な人手不足に悩まされており、課内の各室をまたいだ業務が日常的に発生する。そのため、職員のデスクはフリーアドレス制となっており、空いている席を自由に使うことが許されている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る