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「俺…なんかしたのかな?」
仕事終わり。
今日はこだまのバイトがなくて、そのタイミングで皐月さんに飲みに誘われた。
話題はもちろんこの間紹介した槙江さんのことで、側から見ても順調だと思っていた関係は、どうやら暗雲が立ち込めている様子だった。
「何が悪かったのかな…」
皐月さんは落ち込んでいて、さっきから話を聞いて欲しそうにその言葉を繰り返している。
俺は気づいていたけどそれを無視して、久々の居酒屋飯を堪能していた。
この店美味い。
「ちょいちょい。晴澄が紹介したんだから責任持ってちゃんと話聞いて」
「だって皐月さんの話だけ聞いたらそっちに肩持っちゃうじゃないですか。上手くいかなかったら槙江さん責任感じちゃうタイプっぽいし」
「お前イケメンぶるのやめろ」
「ぶってませんよ」
「とにかく俺は1日デートに誘ったの。そしたら…断られた……あー…早急すぎたかなー…」
ぶっちゃけお互いの反応を見るに印象は悪くなかったように思う。
槙江さんがデートを断った理由はなんだろう。
単に仕事で忙しいか、それとも…。
「人間関係に臆病そうなタイプですよね」
「そうかな?話しやすくていい子だと思ったけど」
「俺、ちゃんと話したの最近なんですよ。それまでは警戒されてたっていうか…」
警戒…というかそもそも誰かと関わることを避けている人のように思っていた。
それでも…“ご飯が美味しい”っていうことだけは昔からちょくちょく伝えてくれていたけど。
「当たり前だろ。お前イケメンだけど愛想なくて怖いもん」
「そういうことじゃなくて」
「はぁ…もう一回誘ったら重いかな?ねぇ晴澄どう思う?」
「槙江さん包容力があって女々しくなくて落ち着いてる人が好きらしいですよ」
「え〝」
少し盛って話すと皐月さんは固まった。
面白い。
面白いけど…やっぱりちょっと気になる。
皐月さんと別れた後、槙江さんにLINEを入れようと思った。
だけどメッセージを送るのはなんとなく詮索しているような気がしてやめた。
特に親しくもないのに、余計なお世話だと思う。
それでも、気づいたら前に送ったルートを思い出して、槙江さんの家にたどり着いていた。
こんな時間に突然きたら迷惑だよな…てか気持ち悪いって思われそう。
だけど…
“もっと自信持っていいと思う”
俺も同じ言葉を、槙江さんに伝えてあげたいと思った。
「
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