ノディのこと

@aco_kojin

ノディのこと

拍手する白い指先すり抜けてノディの羽根が絡まる夜中


真っ黒なノディの羽を撫でている共犯的な宴の後に


あえかなる夕暮れ時の空の色 ノディよりかは暗くはなくて


氷砂糖溶かして舐めた舌先がノディみたいに痺れて動く


ノディはぼくのものではない きみもノディのものではない


真夏日に薄氷の乗る器にはノディの舌がゆっくり乗って


薄暮時 おわかれチャイムの鳴る5時に ノディが飛べたと報告がある


つややかなノディの羽根を折る仕草にも劣らない裏切りの音


小さかったノディが少し背伸びした ぼくよりはまだ小さいけれど


血の滲むノディのからだを温めて湯たんぽ代わり抱きしめてみた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ノディのこと @aco_kojin

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画