第7話 親友と義妹と

スーパーの買い物が終わり、後は変えるとなったときに出会ったのは春樹だった。


「春樹は何で?部活はどうしたんだ?」

「今日は午前だったからな。帰るってなったときに母さんにお使いを頼まれてな」

「俺と一緒か」

「そっちもかよ・・・ところで圭太」

「なんだ?」

「この子たちは?」


春樹が下を向くので一緒に向いたところ、真菜は好奇心からか春樹の顔をずっと見上げていて、幸は知らない男が現れたことに驚いて俺の後ろに隠れていた。


「言ったろ。再婚したって」

「なるほど。ってことはこの子たちがお前の」

「そうだ。じっとお前を見ているのが双子の妹の真菜。で、俺の後ろに隠れているのが姉の幸だ」

「妹ちゃんが好奇心旺盛でお姉ちゃんのほうが引っ込み思案か」


双子なのに本当に対極なんだよな性格が。好きな食べ物とかは一致しているが・・・


「幸。真菜。こいつは俺の友達の春樹っていうだ」

「初めまして。君たちのお兄ちゃんの友達の春樹だよ。よろしくね」


こういう時の春樹は分かっているんだよな、ちゃんと2人の目線に合わせて会話ができるんだから。小さい子にとって見上げる大人は威圧してい怖いからな。真菜はそうでもないようだが。


「2人とも。相手が名前を言ったから、こっちも言わないと」

「わたしはまなだよ」

「・・・わたしはゆき」

「幸ちゃんと真菜ちゃんだね。何歳かな?」

「4さい!!」


と真菜が仲良く春樹と話していたが、幸の方はまだ春樹のことが怖いようだ。


「幸は春樹のことが怖いかな?」

「・・・ちがうの。わたしがおくびょうなだけだから」

「そんなことはない。臆病なのはそれだけ慎重で優しいからだよ」

「そうかな・・・おにいちゃん?」

「幸は前のお父さんの記憶があるんだね。だから男が怖いんだろ?」

「うん」


幸と真菜の前のお父さんは、酒癖が悪かったらしく暴力を振るっていたんだと。


「その時は、お兄ちゃんに任せなさい」

「あっ!?・・・うん」


幸の頭をなでながら、俺はこの双子の笑顔を守るために良いおにいちゃんでいようと覚悟を決めるのだった。


「ゆきだけずるい!!まなもなでて!!」


と真菜に見つかり、買い物袋で片方の手がふさがっていたため、幸をなでるのを辞めようとしたら、幸が俺の手を握った。


「幸?」

「・・・もうすこしだけ」


この後、双子の喧嘩が起きたのは言うまでもないだろう。それを笑いながら見ている春樹と別れて、家に帰るのだった。

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