Section_2_1c きっと今夜は、いい夢が見られそうだ。
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その夜、私は読書記録ノートに今日のことを書いた。
『文化祭でポップ制作を担当することになった。航くんと一緒に。
彼と話していると、本のことだけじゃなく、色んなことを知りたくなる。
彼がどんなことを考えて、どんなことを大切にしているのか。
一か月後、私たちはもっとお互いのことを知っているのだろうか。
そして——私の気持ちは、今より深くなっているのだろうか』
書き終えてから、ペンを置く。
最後の一行は、書くのを迷った。でも、正直な気持ちを書きたかった。
航のことを想うと、胸が暖かくなる。
それは確実に、友情とは違う感情だった。
でも、それをどう呼べばいいのかわからない。
恋?
まだそこまで確信は持てない。
でも、少なくとも——
私にとって航は、特別な存在になっていた。
窓の外を見ると、星が出ている。
明日からまた、普通の授業が始まる。
でも、来週にはまた航と一緒に作業をする時間がある。
そう思うだけで、なんだか明日が楽しみになった。
きっと今夜は、いい夢が見られそうだ。
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