探偵の工藤です。推理はしません。
ハトノショ
第1話 仕組みは分かりません。
都内某所。
高校受験、合格発表当日。
「……落ちた……」
俺、
「……落ちた……」
あんなに勉強したのに……。
「……落ちた……」
家庭の事情で、滑り止めを受けられなかったし……。
「……落ちた……」
親になんて報告すれば……。
重い足取りで家に帰ると、
「……あり?」
家が無かった。
な、何を言ってるのか、分からねーと思うが……。
家が無いのだ。
「……え?」
家があったはずの場所は更地になっていて、『空き地(笑)』と書かれた看板が立てられている。
(え? ちょ、え? え?)
え、あの、その……。
え? どういうこと?
家だけ異世界転移した?
「あら
呆然とする俺に、お隣のオバサンが声をかけてきた。
「いや、あの、その……俺の家が……」
「ああ、そのことなら
オバサンから受け取った手紙には、こう書かれていた。
《
そう信じてましたよって何?
《
なんでテメーら揃いも揃って落ちるの前提で昨日の段階で手紙書いてんだ。
まだ分かんなかったろ。
いやまあ予想通り落ちたんだけども。
《もうオマイの面倒見きれないから父さんたち家ごと逃げるねwwwwwwww》
家ごと? てかどうやったの?
《ちなオマイのスマホ料金の支払い止まってるから繋がらないよwwww》
は?
《今日からオマイは中卒ホームレスだなwwwwwwww》
よく息子の不幸を笑えるな。
この先どうやって生きていけば良いの俺。
《
急にどうした。
《社会というジャングルで迷わないように頑張れよwwwwww》
やかましいわ。
《あ、オマイの場合は家が無いから公園のジャングルジムに住むことになるってか?wwww》
うまくねーし。
「マジかよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
手紙を読み終えて、俺は叫んだ。
閑静な住宅街に、俺の叫び声が響き渡る。
「どーすりゃ良いのこれええええええ! 警察的なアレに相談した方が良い?」
「まあまあ
全然面白くないんですけど。なにそのサイコっぷり?
「ああそうそう、
俺はオバサンから手紙を受け取った。そこには地図が書かれている。
「困ったらその『☆』の所に行けってさ。じゃあね
言うと、オバサンは帰っていったのだった。
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