幸せな私へ、呪いをこめて

@tadanoneko

第1話世界

冷え切った風が私の体中を切り裂くように吹く。得体のしれない何かに引きずり込まれそうなぐらい、深い、深い闇。その闇を見つめて私は...



ん~

朝日で目が覚める。瞼はまだ重たく、開き切らずに半目のままだ。

手元のスマホを見る。

「うげっ!」私は焦った。なぜならホーム画面に

8:20

と大きく表示されていたからだ。

私の学校は8:30までに登校しないと遅刻になってしまう。

急いで階段を下りていき、身支度をする。

机の上には一枚のメモ書きと冷えたパン

「今日も帰りが遅くなります。夕飯は冷蔵庫です。」

丁寧な字で記されていた。私の母はいつも仕事で夜は帰ってこない。

メモ書きをそっと戻し、パンを頬張り、私は急いで学校に向かった。



(セーフ!)私は息を切らしながら教室に向かい何とか間に合い、心の中でガッツポーズをしていた。

退屈な授業...にぎやかな教室...

そしてお昼休み。私はいつもの友達といつもの弁当を食べる。

そう、いつも通り...

お昼休みが終わり、睡魔と戦う5,6時間目。

授業が終わり、帰宅する。

いつもこれの繰り返し。

いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも

私は幸せ?あれ?何回目だっけ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る