第6話!ライバル襲来!氷の男、炎の男

シスター・ダマレーヤは教会の修繕費を支払う。


シスター「支払いはクレジット。俺は、持ってる」


米佐「本田圭佑やめろ」


米佐「そもそもなんであんな馬鹿な⋯すまない、派手な登場を?」

シスターに銃を突きつけられ、発言を咄嗟に修正する米佐。


シスター「フツーに登場したら面白くねえだろ?」


院長「帰って来る度に教会破壊するのやめてくれませんかね⋯支払ってくれるにしても」


修道士A(ぼそり)

「シスターが来るたびに、地震保険の審査通らなくなるんすよ……」


      *      *


シスターはキッチンで、米佐の仕込みを手伝う。


シスター「そういえばお前、禅寺で修行してたんだってな」


米佐「自分の秘密は知られなくない癖に他人の秘密は探るのかよ」


シスター「文句あるか?」


米佐「ありません⋯」


シスター「禅寺ってどんな生活なんだ」


米佐「毎朝朝3時に起きて、坐禅、お祈り、7時に朝食、8時に作務(掃除)、12時に昼食⋯(曹洞宗のサイトより)」


シスター「ハッ!ここよりキツイじゃねえか!」



院長「ここは朝4時前に起床、4時に黙想、朝食、デボーション(聖書朗読)があり、7時にミサ、12時前に昼食ですね(トラピスト安心院の聖母修道院より)」



シスター「いっそ此処も禅寺みたいにするか?修道士の心身が鍛えられるぞ」


修道士B「やめてくださいしんでしまいます」


       *      *


米佐とシスター達が語らいながらランチを楽しんでいたとき、教会のチャイムが鳴った。


「ピンポーーーン」


院長「来客ですね、誰でしょうか?」

院長はそそくさと玄関へ向かう。


ダマレーヤ「敵か?」チャキッ

リボルバーの安全装置を解除するシスター。



院長「やめなさい、ただのウーバーイーツだよ、たぶん……」



米佐「多分やめろ」


       *      *


???「すいません、此処に“コメスケ”なるバカっ面は来ておりますでしょうか?」


院長「はい、おりますが、一体何の御用で⋯」







???「その者を、連れ戻しにきました」



院長「!?」




来訪者はそう言うと、呪文を唱える。

「───燕王喜太子丹質於秦。 秦王政不礼焉………」



「我は“荊軻”!暗殺者の英霊也!」



米佐「あのバカッ!」

米佐はダッシュで玄関に向かう。


刹那、来訪者はナイフを取り出し、院長を刺そうと飛び込んできた!

それをフライパンでガードする米佐。


???「クソッ⋯!」


米佐「本当にいい加減にしろよお前⋯」

 


       *      *



シスター「なんだ、知り合いみてえだなお前ら」


米佐「……知り合いというか、宿敵というか、不倶戴天の敵というか⋯」


???「我の刃は皇に届かざるか……」


米佐「始皇帝なら2000年前にとっくにくたばってるわ!目ェ覚ませ!」

米佐は来訪者に対し、アントニオ猪木ばりのビンタをかました。


???「ひでべしっ!」



米佐「……このイタコ野郎、生きてやがったか。

おかげでこっちの指もじんじんしてんだよ……」



???「はっ!」


        *      *


シスター「⋯⋯」

シスターは神妙な顔つきになった。 


米佐「あっシスター、いやボス。コイツは昔、禅寺で一緒だった」


???「シンジ・カッターミーじゃ」


院長「何用ですか?」

院長は命を狙われたにも関わらず、何事も無かったかのように冷静だ。


シンジ・カッターミー「そこの米佐なる破門者を引き取りに参った」


米佐「……は?」

米佐にとっても、これは寝耳に水だった。



米佐は苦笑した。

「──ちょっと待て。それは和尚の命令か?」


シンジは答える。

「そうじゃ。和尚はお前を連れて来いと仰せじゃ。もう“武者修行”とやらは終わったのであろう?ならば、いま一度禅寺へ戻るのじゃ」


米佐「バカ野郎、禅寺なんぞ2度とゴメンだ」


米佐

「いいか?!雲黒斎(うんこくさい)和尚に言っとけ!俺は永久に禅寺には戻らねえとな!」


シスター「自分の和尚を排泄物呼ばわりかよ」


米佐「そういう名前なの!」


院長「ええ⋯立川談志の法名じゃないですかそれ。法名って普通、死ぬときに付ける名前じゃ」

      

       *        *


シンジはその場にあぐらをかいた。

シンジ「和尚の命令は絶対に候。帰りたくないとワガママをこねたので連れ帰れませんでしたでは、ワシも帰れん」


シンジ「そこで勝負じゃ。

明朝、厨房にて──ワシと料理対決せよ。

勝てばそのまま残れ。負ければ、共に寺へ戻ることとする」


米佐

「上等だよイタコ野郎。テメェを叩きのめしたら、次はあの雲黒斎和尚を肥溜めにブチ込んでやるよ」


シスター「やっぱりうんちじゃねえか」


To be continued...







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