背後に立つ君とその秘密

★概要

登場人物2人の百合声劇の台本です。


★利用規約

商用/非商用問わず無料で、本台本を基にした作品制作に利用できます。詳しくは下記URL(『★利用規約』ページ)をご覧ください

https://kakuyomu.jp/works/16818622177463055239/episodes/16818792436262548215


★人物設定

教官:

本名は柊奏(ひいらぎかなで)。25歳前後の女性。軍の教官、といっても教える側にまわったのはつい最近。背は高い方。職業柄よく鍛えている。立場上、訓練生には厳しく接してるが素はいたっておだやかな性格。一人称は「私」で、月島を「月島」と呼ぶ。月島のことはなんか自分のことをよく見てるなあとは思っていたが、勘違いだろうと思っていた


月島:

本名は月島陽菜(つきしまひな)。10代後半の女性。軍の訓練生。背は平均程度。そんなに運動は得意な方ではないので訓練には必死についていっている。厳しい訓練生活の中で、教官の鍛え抜かれたお尻を眺めることだけが唯一の楽しみ。本人は自分のことをいたって普通と考えているが、ちょっとずれているところがある。一人称は「私」で、教官を「教官」と呼ぶ。教官のことは厳しいけどそれは自分たちを思ってのものであることは理解しており、ゆえに理想のお尻を持ち主であることも含めてかなり彼女を慕っている。


★場面設定

夕方、訓練後、教官室にて。教官と月島の2人きり。教官は、今日の訓練で集中力を欠いていた月島を呼び出し、事情を聞こうとしている。その事情によってはちゃんと叱らなくちゃいけないから、教官の気分としてはちょっと憂鬱になっている。月島の気分としては、今日はさすがに教官のお尻を凝視しすぎてたからついにばれたかもしれないなあ、でもできたらごまかせたらいいなあと思っている。





★本編


【BGM:軍隊的な勇ましい雰囲気の音楽】(フェードアウトしつつ次のSE)


【SE:カツカツと硬い床の上を歩く音】(教官が執務室を歩いて月島の前にやってくる)


教官:(勢いよくはきはきと強い口調で)月島!

月島:(同じく強い口調で)はい!

教官:今日の訓練中、お前は集中力を欠いていた!

月島:その通りです!

教官:理由を言え!

月島:言えません!

教官:なぜだ!

月島:個人的な心情に関わることだからです!

教官:言え! これは命令だ!

月島:教官の臀部に注視しいてたからです!


(間)


教官:(ここからは声のトーンを普通に変える。混乱している様子で)え? 私の……でんぶ?

月島:(変わらず強い口調で)お尻のことです!

教官:いやそれは知ってる。え、私のお尻が……どゆこと?

月島:訓練中ずっと教官のお尻を見ていたということです!

教官:なんか変ってこと?

月島:違います! 教官のお尻はとても魅力的だという意味です!

教官:(自分のお尻に触って確かめる)うーん、硬くてよく鍛えられているとは思うけど……?

月島:その点にこそまさに魅力がつまっているのです!

教官:くわしく

月島:極限まで鍛え上げられた肉体の象徴です! 大きく肥大しながら同時に無駄なく引き締まったそれは、瞬時に爆発的なパワーを生み出す源です! 機能美の極致であり私の心を惹きつけてやまないのであります!

教官:(圧倒されて)熱量がすごい……


(間)


教官:(何かに気づいた様子で)ん? 今日だけの話じゃないってこと?

月島:もちろんです! 入隊してから今までずっと教官のお尻を見ていました!

教官:(引き気味に)えぇぇ……全然気づかなかった……

月島:気づかれないよう細心の注意を払っておりました! 女性同士とはいえお尻を凝視することは不躾な行いです!

教官:それがわかってるならやめてよ

月島:無理です! 我慢できません!

教官:(ひとりで落ち込む)うーん……これ、どうすればいいのかなぁ……こんなのマニュアルに全然のってなかったよ……


(間)


月島:提案があります!

教官:一応聞くけど何?

月島:教官のお尻を触らせてください!

教官:(困惑した様子で)え、なんで?

月島:実際に触って感触を確かめることで欲望が満たされ、明日以降は訓練に集中できるようになるものと思われます!

教官:本当に? ただ触りたいだけじゃなくて?

月島:確証はありません!

教官:正直なことは正直なんだけど……


(長い間。教官は一人考える。月島は黙っている)


教官:(迷いながら)えーと、どうすればいいのかな?

月島:何がでしょうか!

教官:どういう格好だったら触りやすい?

月島:(息をのんでから)お尻をこちらに向けそこの壁に手をついてください!

教官:こんな感じかな? 触ってもいいって言ってもちょっとだけだから……ね?

月島:了解しました!


【SE:小さな衣擦れの音】(月島は教官のお尻に触る)


教官:(かすかに吐息をこぼす)んんっ……

月島:(今までで一番力強く)ありがとうございました!

教官:満足してくれたようでよかった

月島:明日からは全力で訓練に取り組ませていただきます!

教官:うん、がんばってね。それじゃあ、さよなら

月島:失礼します!


【SE:ドアが開いて閉まる】(月島は教官室を出て行く)


教官:(ひとりでつぶやく)これでよかった……のかなぁ?


【BGM:軍隊的な勇ましい雰囲気の音楽】(フェードインで始まってフェードアウトして終了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る