3巻 3章 7話



「ウオーー!!」


滅びた街にハンターとギルドの雄叫びが響いた。


ハニはカエサルで突っ込み、木のゲートも柵もぶち破った。柵に刺さっていた頭蓋骨は飛び散った。


ブラストは監視塔の見張りに向かって砲撃した。


ドカーン!


見張りごと監視塔を吹き飛ばした。


ブラストのコール。

「っしゃー!ハニ、そのまま奥のもやるぞー!」


ハニのコール。

「OK!」ハニはハンドルを切って、裏通りを爆走した。


朽ちた建物を何軒か過ぎると、頭蓋骨を吊るした監視塔が見えた。

警鐘を鳴らすマダラデビル。


カンカン!


ハニが減速した瞬間、ブラストが砲撃した。


ドカーン!


「ジャストタイミーング!」ハニは吹っ飛ぶ屋根を見ながら言った。頭蓋骨は柵の外まで飛んで行った。


ハニはハンドルを切って、反対側の柵を目掛けて突っ込んだ。


ブラストは充填を続けながら、柵を破る衝撃には大砲に掴まって耐えた。


倒れた柵からハンター達、ギルド達が両方向から雪崩れ込む。


奥の高台から武器を取ったマダラデビル達が、農耕機を魔改造した戦車で下りて来た。


ハニのコール。

「ブラスト!同じコースをもう一周走るよ!」


「行くぞ、っしゃー!」ブラストは気合いを入れた。


コンバイン戦車がゆっくり坂道を降りて向かって来る。坂の途中でコンバイン戦車が砲撃して来た。


ドーン!ドーン!ドーン!


朽ちた建物が崩れ、辺りに煙が立ち込めた。


ハニは朽ちた建物を盾に走り、道幅が少し広がった所でブラストが砲撃する。


ドカーン!


ブラストの砲撃はコンバイン戦車に命中した。操縦席は真っ黒になり煙が上がる。


農耕トレーラーに乗ったマダラデビル達が坂の上から向かってくる。


ハニのコール。

「私に任せて!」

ハニはブレーキをかけ、両手を前に出した。

「タクシス!」

コンバイン戦車を浮かせ、片手の平に拳をぶつけると、マダラデビル達が乗った農耕トレーラーにコンバイン戦車が激突した。


バギーン!!


大きな煙が上がり、坂の横の土手にコンバイン戦車と農耕トレーラーがぐちゃぐちゃに重なった。


煙の中からゼブとエイムスが現れ、ゼブは二丁拳銃で逃げ惑うマダラデビル達を撃ち、エイムスもショットガンを連射でぶっ放す。


虎徹はカエサルに近づくマダラデビル達をバイクで追いかけ斬った。


中門の扉をブラストは砲撃。


ドカーン!


中門は吹き飛んだ。


火槍を掲げたブレイズが、開いた門に突撃して行く。「ホーゥ!」

ギャレット、オースティン、クラウンも追従する。


ブレイズは投槍に火をつけては投げ、廃屋を燃やした。中で待ち構えていたマダラデビル達は慌てて外に飛び出した。ギャレット、オースティン、クラウン達は飛び出したマダラデビルを撃った。


マダラデビルがブレイズに飛びつき肩や背中に毒爪を立てる。ブレイズが槍を突き立て、マダラデビルを天に掲げ、奥深くまで突き刺し、槍を振り下ろして地面に叩きつけた。「ウァー!」マダラデビルは叫び力尽きた。


飛びかかって来るマダラデビルを撃ちながら、ハンター達とクラウンは大砲台に向かう。


大砲台に近づきクラウンはフレイヤを呼び出した。「フレイヤ、行け!燃やせ!」


炎の女神、フレイヤは大砲台まで飛んで行き、並んだ大砲の一番端の大砲を蹴り飛ばした。大砲は横を向き、準備していたマダラデビル達は突き飛ばされパニックになった。フレイヤの炎で大砲の導火線に火が付き、横を向いたまま発射した。


ドーン!


大砲台は大炎上した。


フレイヤは大砲台の奥の干し草の山にズボッと飛び込んだ。

燃え上がる干し草の中から「ヒャハー!」と声を上げ飛び上がり、宙返りして大きな炎の渦を作った。火炎瓶を持って走ってくるマダラデビル達は炎の渦に巻き込まれた。


バリン!バリン!バリン!

ドン!ドカーン!!


オースティンはフレイヤを見てクラウンに言った。「アイツを俺たちの畑に連れてくるなよ。」


「う、うん。」クラウンは愛想笑いした。


その時、ブラストが叫びながら通り過ぎた。

「ポセイドンみたいなヤツ来たー!」


「ピストルプルーフだ!」ヴァルもバギーで突入して行く。


「アグロ高けーな、オイ!」スノーもヘルメットを被せたゴーストを乗せて、バギーで追従する。


最奥の塔からピストルプルーフは戦闘馬車に乗って現れた。馬車を引くゼブラ2頭の脇腹には赤い文字がペイントされている。スパイクが縦一列に付いた金のヘルメットに金の三又槍。金歯がキラッと光った。


戦闘馬車でローリングしたり、横に膨らみながら向かって来る。ハンター達は銃を構え撃ちながら馬で駆ける。クラウンも必死に追いかけ撃ったが、ピストルプルーフは頭蓋骨がついた防弾盾で防ぎながら、距離を保って避けながら走る。ハンター達は荒野に向かって追いかける。


塔の横から回転ブレードトラクターが出て来て、ハンター達、ギルド達を追いかけて来た。


武器を構え農耕トレーラーに乗ったマダラデビル達が、塔に近づくハンターやギルドに石槍を投げ応戦する。もう一台の農耕トレーラーは回転ブレードトラクターを守る様に後を追い、マダラデビル達は石槍や火炎瓶を投げながら動き回る。


最後尾に着いたハニはハンター達を気遣って手出しせずに見守った。

塔の下ではマダラデビル達が暴れている。

徐行する中、ブラストは砲弾を塔に向けて撃った。


ドカーン!


塔の先端がボキッと折れ、下で攻撃しているマダラデビル達に塔の先端が落ちて砕けた。


ガシャーン!!


それを見たピストルプルーフは塔から離れ荒野を走り回った。


⭐️


回転ブレードトラクターに追いかけられているスノー達。


スノーは農耕トレーラーに近づく。マダラデビル達が石槍や火炎瓶を投げつけてきた。


「シェル!」スノーは体を硬化させ、ゴーストを抱え、バギーをバックさせて飛び降りた。


バギーは後ろに走りだし、追いかけて来る回転ブレードトラクターのブレードに食い込みバランスを失って横転した。


回転ブレードトラクターの中からマダラデビル達が出てきてスノーに襲いかかる。農耕トレーラーに乗ったマダラデビル達も一斉に飛びかかって来た。


「フリーズ!」

マダラデビル達はスローモーションになった。


スノーは石の拳でマダラデビルを殴り、虎徹は飛びかかってマダラデビル達を斬った。ハンター達も動きの止まったマダラデビル達を撃った。


ヴァルは空になった農耕トレーラーにバギーで並走した。

「スピリット!ピストルプルーフを追いかけろ!」


農耕トレーラーは大回りでピストルプルーフを追いかけ、戦闘馬車に乗ったピストルプルーフが再び向かって来た。


虎徹はターンし、ピストルプルーフを追いかける農耕トレーラーと交差する様に走り出した。

猛スピードで走る中、戦闘馬車の連結部分を狙って「飛翔!」水平に飛び、連結器具や手綱ごと斬った。虎徹はそのまま荒野の草むらに激突し、バイクは横転した。


切り離されたゼブラ2頭が繋がったまま暴れている。ヴァルがバギーから降り、駆け寄った。

「スピリット!」

ゼブラの目は紫色のグラデーションになり、落ち着きを取り戻し、ゆっくり歩き出した。


戦闘馬車から投げ出されたピストルプルーフは三又槍を支えに立ち上がり、腰のベルトから銃を抜いてヴァルの顔を撃った。


バーン!

バリーン。


ヴァルは割れたフェイスカバーを手で払って、ヘルメットを収納した。


「これでお終いだー!」ピストルプルーフはヴァルにもう一発、発砲した。


バーン!

ガキーン!


ヴァルはこめかみのあたりを撃たれた衝撃で頭が少し傾いたままゆっくり歩いて近づく。


「このっ、石頭が!」ピストルプルーフはさらに発砲した。


バーン!

ガキーン!


ヴァルの頬に当たり、顔が横を向く。ヴァルは前を向きながら言った。

「僕もピストルプルーフなんだ。」


ヴァルは手をかざした。

「スピリット!」

ピストルプルーフは白目になり口をだらんと開けた。眩暈を起こしたまま、よたよたと歩く。金歯が眩しく光る。


ガルルー!ガウ!


ゴーストが飛びかかりピストルプルーフの喉に噛み付いた。


倒れたピストルプルーフにハンター達が駆け寄り、まだ息があるピストルプルーフにゼブとエイムスが銃を向け、撃った。


バン!

ズドーン!


⭐️


続く。

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