体育祭実行委員改

　＝＝＝＝＝＝＝＝＝　この物語はあくまでもフィクションです　＝＝＝＝＝＝＝＝＝

「誰が全部作れっつたんだよ！！」体育教師坂口は怒っていた。

　体育祭だから、と体育会系クラブの部長・副部長に任せっきりだったのが不味かった。

　彼らは、毎年発注する「水上染め工場」に、候補全部の横断幕を依頼したのだ。

　候補とは、

　１．一致団結（いっちだんけつ）:

　チーム全員の心を一つにして、目標に向かって協力することを意味します。団結力を高めたい時に使われる。

　２．百戦錬磨（ひゃくせんれんま）:

　多くの経験を積み、鍛え上げられたことを意味します。練習の成果を発揮したい時に使われる。

　３．完全燃焼（かんぜんねんしょう）:

　全力を出し切り、悔いのないようにすること。最後まで諦めずに戦う姿勢を表す。

　４．一球入魂（いっきゅうにゅうこん）:

　一つの球に魂を込めるように、すべての行動に集中すること。

　５．疾風怒涛（しっぷうどとう）:

　激しい勢いで物事が進む様子を表します。試合の流れを掴みたい時に使われる。

　６．獅子奮迅（ししふんじん）:

　猛烈な勢いで奮闘すること。力強い印象を与える。

　７．不撓不屈（ふとうふくつ）:

　どんな困難にも屈しない強い精神を表します。逆境に立ち向かう時に使われる。

　８．粉骨砕身（ふんこつさいしん）:

　力を尽くして努力すること。目標達成のために全力を尽くすことを意味する。

　９．勇猛果敢（ゆうもうかかん）:

　勇ましく決断力がある様子を表します。積極的に行動したい時に使われる。

　１０．臥薪嘗胆（がしんしょうたん）:

　目的を達成するために、苦労を重ねて努力すること。

　以上である。

　坂口は、柔道部の県大会応援の為、彼らに任せたのだ。

「あのなあ。１個でいいんだよ、１個で。１０年分も予算ないだろうが。」

「先生。提案があります。」「何だ、木更津。」

　木更津は生徒会長である。

「一昨年、えと半島地震がありましたよね。」

「ああ。大変な地震だったな。」「プレゼントしてはどうでしょう？当校に使う分以外を。」「あ？」

「すなわち、体育祭運動会で使える横断幕を小中高問わずに、半島の学校にプレゼントしてはどうでしょう？費用は、父兄やクラウドファウンディングで集めます。」

「な簡単にいくか？」

　坂口の懸念を余所に、生徒会長の木更津の思惑通り、寄付は集まり、エト半島地震の復興の願いを込めた横断幕は、この学校から送られた。応援の寄せ書きと共に。

　―完―

　※物語はフィクションですが、能登半島地震被災者への全国の国民の気持ちは一つ、と信じたいです。

　それと、「横断幕」で有名な染め工場があります（名前、少し変えましたが）