魂の屈折率
☆ほしい
第1話
蛍光灯のハム音だけが満ちている解の公式x=2a−b±b2−4ac
タイムリミット。システムという透明な壁に沿ってただ指を滑らす
大人びてゆく鏡のなかのおまえは誰だ ブレザーの金ボタン
親の言う「あなたのため」が静電気みたいに僕の回路を焼いた
沸騰しそうな思考を捨てにベランダへ出れば世界はなにも知らない
大丈夫じゃない、と答えるシミュレーションばかりを繰り返してる脳は
自販機の光のなかでだけ僕は世界の中心になれる気がした
イヤホンの内側だけが聖域で守られている、猫ほどの自我
アスファルトの熱を避けてる野良猫と三秒間だけ目が合って、それだけ
ビルとビルの隙間に沈む夕陽だよ 僕の影だとやっとわかった
魂の屈折率 ☆ほしい @patvessel
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