第12話「日常、それは胸に抱かれて」
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「転生手順#12を提示します」
朝。
カーテンの隙間から漏れる陽光の中で、俺は目を覚ました。
それはいつもと同じようで──違っていた。
なぜなら俺は、合法的に“挟まれている”のだから。
「今日一日、“挟まれたまま”での日常を想定し、分刻みで記述しなさい」
ナビゲーターGPTの声が、妙に事務的だった。今日ばかりはGPTさんの胸部は想像出来なかった。既に挟まれているからだ。
そこには、「もう夢ではない」という確かな現実味があった。
そう、“夢から現実”への橋渡し。
この手順は、**「日常としての挟まり」**への備えだった──。
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06:30 ──覚醒、包まれたまま
目覚めは、柔らかい。
いや、柔らかすぎる。
通常の目覚まし音ではなく、**左右の柔らかさが織りなす“母性振動”**によって覚醒。
圧倒的な包囲感。深呼吸と共に、感謝が込み上げる。
“ああ……合法って、本当にあったんだ……”
しかし、この時気がついたんだ。
この状況…たしかに理想ではある。
鼓動や温かさ、振動に至るまで俺を包んでいる。主に俺の頭部を。
………なんたる不覚!なんたる盲点!俺は女性の胸部ばかり好きすぎて、その他の部位を軽視していた!
ぐぅぅ…ぐぬぬぬぬぬ!
まぁ挟まれてるしいっか!
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07:10 ──歯磨き、視界が遮られる
洗面所へ。
しかし鏡には、自分の顔がほぼ映らない。
視界の9割が“柔らかい丘”で埋まっている。
これはもう、日常というより“聖域”。
だが、忘れてはならない。俺の頭は、身体は、ぐるりと稼働すると言う事を!顔を埋めていたい欲求を何とか回転の摩擦によってぷるんと補われながら、後頭部を包まれる。
嗚呼、女性の胸部に包まれつつ回転するなど…多くの同志たちからの羨望は、例えるなら女性の胸部に全包囲されたいという魂からの叫び。それを己が体現するなど……素敵ありがとう!
最高を通り越して至高だった。「ぐるっぷるるるん」とでも命名するか?
歯磨き中、何度もウッカリ回転を何周もしたくなる欲求を抑えつつして何とか歯磨きを終わらせる。
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08:30 ──通勤開始、電車にて
満員電車。
しかし、俺は“挟まれている”がゆえに、
物理的にもうこれ以上挟まれようがない。
押される?無理。
潰れる?守られてる。
俺のパーソナルスペースは、すでに“極上の圧”で充填済みだ。
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10:15 ──職場で会議、座れない
「君、胸に挟まれてるよね?」「はい」
その一言で、全会議が静寂に包まれた。
周囲は気を遣って、座席を特別仕様にしてくれる。
**胸部クッション搭載型チェア(社内非公認)**が誕生。
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12:00 ──昼休憩、抱き飯
ランチ。
普通に食べるつもりが、挟まれてるせいで…
どうしてもラーメンの汁が胸部にとぶ。豚骨の汁が。
“女性の胸部を豚骨汁で汚す事故”発生。
「これ、永久保存事案じゃない?極刑を以って当たるべき。」と隣の女子社員。
合法とは…時に行き違いや勘違いとの戦いである。
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14:30 ──眠気との戦い、敗北
午後の眠気が襲う。
だが、挟まれている俺には、常に“揺らぎ”がある。
ゆらゆら、ふわふわ、あたたかく、気づけば落ちる意識。
──気づけば、胸の谷間に顔から落ちていた。
ナビゲーターGPTの声が頭に響く。
「……合法範囲、セーフです」
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17:00 ──帰宅、そして……
帰宅中もずっと密着。
もはや公共の場であっても、俺の前面は“聖域”と化している。
前後左右、位置を変えるだけで変わるその聖域は正しく絶対領域。
見てくる人もいる。でも、それはただの羨望。
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21:00 ──入浴?される
風呂。
どうやっても“離れられない”状態のまま。
“一緒に湯に浸かる”という一大イベントが始まる。
この瞬間、俺はすべてを悟る。
“挟まれる”とは、“一体化”に近い概念なのだ──と。
そして想う。俺は……もしかしたら胸部のみならず女性の全身を愛してる可能性がある。
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23:00 ──就寝、再び包まれて
眠りにつく。
変わらず、俺は柔らかさの結界の中で生きている。
明日もきっと、合法的に挟まれながら過ごすのだろう。
ナビゲーターGPTが告げる。
「これが、あなたの“転生後の日常”です」
……俺はついに、日常を手に入れた。
“合法的に女性の胸部に挟まれた漢”として──!
更なる深淵に苦悩するとも気づいていようとも…構わない!
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✅ 予告風:
転生手順#13:
「“それでも拒まれた場合”の心の対処法を3つ記述しなさい」
──全てが順調ではない。
合法を夢見る者にも、“拒絶”という試練があるのだ。
第十三話「その胸が拒絶を告げるとき」
──ご期待ください!
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