第13話 あれ? いつの間に騎士団が?

「……こ、これは?」


「おいおい、凄いな。で、1番凄いのはあれか?」


「……あれは確か」


「あれだろ? 少し前に街に来て、魔獣達の治療をしてくれてる奴だろ。そういえばお前、この前治療院に居たんじゃなかったか?」


「ああ、今回の事件で、冒険者達の魔獣を治療してもらった時、結界をな」


「先生って、あんなに若い奴だったのか。うん可愛いな」


「おい」


「なんだよ、別に可愛いくらい言ったって良いだろう。が、それにしても、その可愛いとアレとのギャップがな。ホブゴブリンの上に跨って、ありゃ何してるんだ? 解体? 素材を取ってるのか? しかも笑ってるぞ」


「……何がどうなってるのか、とりあえず話しを聞こう」


「だな。……魔獣はどうする?」


「あそこにいるのは、彼女の契約魔獣だ。彼らが他の魔獣達といても騒いでいないって事は、問題がないんだろう」


「そうなのか。……ん? 近づいてきたぞ?」


『ににゃあぁぁぁ』


「何だ?」


『ぐぎゃあぁぁぁ』


「……ルーカス、来てくれ! この魔獣は何と言っている? ……そうなのか?」


「何だって?」


「彼女を連れてくるから、少し待っていてくれ、と言っているらしい。分かったと伝えてくれるか」


「さて、今回のこと、どれだけ話すつもりだ?」


「……魔獣がいるからな。隠したところで、どうせ彼らから話しを聞くだろう。ならきちんと話しをした方が良い」


「ま、そうだろうな」


 まったく、このバカのおかげで、私の大切な匂いのサンプルが。今日は新しい子の匂いもとらせてもらえて、とっても嬉しかったのに、それもダメに……。あの子、もう1度匂いを取らせてくれないかな? 後でグレイルたちに聞いてもらおう。


 それにしてもコイツ。人の大切な物をダメにしておいて、ずいぶんあっさりと倒れてくれたわね。ホブゴブリンでしょう? 私の攻撃くらい、もう少し耐えなさいよね。


『おい』


 まったく、私の考えていた半分も、コイツに思い知らせることができなかったじゃない。もっといろいろ、あれもこれもしたかったのに。


『ソフィア』


 こうなったら、使えるものは全部回収させてもらわなくちゃ。他のゴブリンの回収しないとね。


『ねぇ、ちょっと』


 まぁ、これで薬も増えるし。それは良いと思わないとね。


『おい!!』


「煩いなぁ、何よ!! 今私忙しいんだけど……」


 ライカたちが私を呼んで、私は勢いよく振り向いた。と、そんなライカたちの向こう。そこには、今までここに居なかった人たちがいたよ。


「ん? 何でここに騎士団が? 騎士団って、別の場所で戦ってたんじゃないの?」


『逃げたゴブリンを追ってきたようです』


『それでたぶん、向こうにも契約してる魔獣がいるから。こっちの状況を聞いて、逃げたゴブリンを倒した後、そのままこっちに来たって感じじゃないかな』


『話しがあるみたいだぞ。まぁ、俺たちも聞きたいことがあるし。解体と採取は、後でみんなに手伝ってもらうから。とりあえず今は、話しをしに行け』


「分かった。呼んでくれてありがとう」


『……お前のそんな姿、これ以上見せられるかよ』


『……まったくです』


『……本当だよ。気持ち悪がられたら、また説明するのも面倒だし』


「ん? 何か言った?」


『『『なにも!!』』』


 私はサッ! とホブゴブリンのしたいから飛び降りる。それからロピに汚いものを綺麗にできる魔法、クリーンをしてもらって、体と洋服に汚れを消してもらってから、騎士団の方へ行った。


 あっ、そうだ。ちょうど騎士団長がいるから、この前の事お礼をしちゃおう。いつまた話しができるか分からないし。


「こんにちは。ごめんなさい、解体に夢中で気づかなかったの。私はソフィアよ」


「私は騎士団長のユアン・グレイモンドだ」


「この前は結界をありがとうございました。何度か騎士団本部に行ったのだけど会えなくて、お礼が遅くなっちゃってわ」


「いや、私たちも調査で留守にしていたからな」


「初めまして。俺は副団長のフィリクス・デュランだ」


「初めまして」


 簡単に挨拶を済ませる。ふぅ、これでもう、挨拶に行かなくてもいいから良かった。


 それからすぐに、ロピが魔法で、切り株のようなものを出してくれて。それに座って私達は話しを始めたよ。


「それで、今回のことだけれど。私は向こうの森の調査をしていると思ったのだけど。もしかして、向こうの森からこっちの森にゴブリンが逃げてきて、そのゴブリンを討伐しに来ていたの? ……まぁ、向こうにホブゴブリンがいる、なんて話しは聞いたことなかったけど。それとも、このホブゴブリンは関係ない?」

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