第9話 森の仲間と交換会
「みんなが来た?」
『ああ、そうだ。今日もけっこう来てるぞ』
『ソフィアのあれは面倒でも、やはりソフィアの作った魔獣専用お菓子は食べたいのでしょうね』
『そうだ! 今日のおやつはあの樹液につけて食べよっと』
『じゃあ俺も』
『あれはボクのだよ。ボクが見つけて、ボクが入れ物に入れたんだから』
『良いじゃないかよ別に』
『ダメ!』
『2人とも煩いですよ』
森に中で草むらが揺れているっていうのに、警戒心がないって? まぁ、確かにそうなんだけど。あの草むらの向こうに誰がいるか、私は分かってるし、一応グレイルたちも確認してくれているから、別に慌てる事はないんだ。
それに草むらの向こうにいる子たちが、私の森でも楽しみだからね。
「みんな、こんにちは!!」
私が草むらに向かってそう言うと、すぐにぞろぞろと、様々な魔獣たちが出てきて私たちを囲んだ。数にして20匹くらいかしらね。
「みんな、元気にしてた? もし具合が悪い子がいたら先に言ってね」
私の言葉をグレイルたちに伝えてもらう。すると5匹の魔獣が前に出てきて、私の前に座った。
「あなたたちは具合が悪いのね。じゃあ先に治療しちゃいましょう。それからいつもみたいに交換しましょうね」
『グオッ!!』
『分かったと』
「それじゃあ始めますか!! じゃあまず、そこの1番小さな子からの治療するわね。すぅすぅ、すぅすぅ……。うん、あなたは……」
私はうさぎくらいの大きさの、モグラに似ている魔獣モグリンの匂いを嗅ぐ。治療が始まるとみんな、治療院にくる魔獣みたいに無表情になって、ちゃんと私に匂いを嗅がせてくれたよ。
今、私たちの周りに集まってきた魔獣たちは、みんな野生の魔獣なんだ。街で暮らし始めてから、何度もここを訪れて、少しずつ交流をして、今ではかなりの魔獣たちと仲良くなれたの。
まぁ、少しずつ交流といっても、グレイルたちがいてくれたから、話す事もできたのが大きかったと思う。
後は私が子魔獣を治療してあげたら、もっと懐いてくれたって感じね。今では私たちがくると、みんなが集まってくるようになったんだ。そしてその時に、具合の悪い子がいれば治療してあげるの。
後は、私が作った魔獣専用お菓子を、みんなにあげるかわりに、魔獣吸いをやらせてもらうんだ。これが私の楽しみ。たくさんの魔獣の匂いを、一気に嗅ぐ事ができるんだもん。
まぁ、みんな、嫌そうな顔はしてるけどね。お菓子のために我慢してるって感じ。それに治療してくれるからって。
ただ、それだけじゃない。他にも大事な事があって。魔獣たちは珍しい薬草を持ってきてくれるんだ。私が魔法じゃなく、薬で治療したのを見て、グレイルたちに薬について聞いて。それ以降、見つけにくい薬草を見つけて、持ってきてくれるの。
そのお返しは、お菓子じゃなくて魔獣用のご飯。と言うか、その場で料理するんだ。今日は……、多分イノシシに似ているイノーという魔獣を、魔獣が喜ぶ味付けにして丸焼きかな。
今日きた魔獣に中に、ブラックパンサーという、ヒョウに似ているけど、サイズは1、5倍くらいの魔獣がいるんだけど。その子の横に、イノーがどんと置かれているんだ。多分あの子が仕留めて、あれを調理してもらいたいんだと思う。
これは早く治療を終わらせて、他の用事も終わらせて、料理を作ってあげないと。そして私も匂いを嗅がせてもらわないと。魔獣たちを治療していく私。
『ソフィア、お前が治療している間に、俺たちが薬草を貰って、お菓子を渡しておくか?』
『その方が、後のこともスムーズにできるのでは?』
『どうせ、いろいろやらないとと思ってても、匂いのことが1番だろうけどさ』
「ちゃんとみんな同じくらいに考えてるわよ。薬草お願いできる?」
『分かった』
こうしてライカたちのおかげで薬草の方は、私が治療を終わらせたころには、ずべての交換が終わっていた。
『あら、こんなに珍しい薬草まで! 持ってきてくれてありがとう!!』
思っていた以上に、珍しい薬草を持ってきてくれていたみんなに、改めてお礼を言うと、私はすぐにブラックパンサーの方へ。
「今日はその子を料理すれば良い?」
『ににゃあ!!』
『そうだって。美味しいご飯よろしくって』
「分かったわ! 特別な薬草を持ってくれくれたんだもの。腕によりをかけて、料理するから待っていてね!!」
と、料理を始めた私。でもまさかこの後、面倒な事が色々起こるなんて、この時には思ってもいなかったんだ。私の大切な、魔獣吸いの時間が……。どうしてくれる。
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