プラナ学園リア切断
マキタKC
第1話 一行でまとめると
俺には〈危機察知〉というスキルがある。
嫌な予感がして。
遅刻ギリギリの時間に登校したら、いつもの通学路で大型トラックが横転していた。
嫌な予感がして。
塾からの帰り道をダッシュしたら、背後で軽トラがガードレールに突っ込んでいった。
もちろん偶然。たまたまの幸運。
しょせんは妄想の産物でしかないのだと、わかってはいる。
まずスキルがあると仮定してみよう。
だったら、磨かなきゃ損だと思い立ったんだ。
不条理な出来事に理不尽なまま呑み込まれちゃう世の中だろう?
スキルがあるといいな、じゃないんだ。
あるものとしてピカピカに磨いていこう。
そうすると、やがては、あることになり。
いずれ万が一の事態のとき、ものすごく助かる!
おかしな理屈なんだろうな。だが俺にはすっと染み込んでくるイメージだった。おかげで思慮深い性格になっていったと思うぜ。大胆な振る舞いも身についてきた。あ、いっとくが思慮深さと大胆さは矛盾しないぞ。慎重に冷静に。臆病なくらい神経質になって足元の土台を踏み固めていき。周囲を観察し考察して。やっと思い切った言動も選べるようになったんだ。
と、まあ、こういった自己分析には終わりがないし、おもしろくもない。
一行でまとめておこう。
俺は〈危機察知〉というスキルを磨いてきたんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます