Vi auguro tanta felicità

 本日は ご多用のところ また遠方よりお越しくださいまして まことにありがとうございました

 これより 〇〇家 〇〇家 ご両家の結婚披露宴を開宴させていただきます




 ――それではここで ご夫婦となられましたおふたりについて ご紹介をさせていただきます




 ――さて そんなおふたりは 新婦のご友人が開業されたキッチンカーで出会いました

 新婦は 当時ご友人のキッチンカーのお手伝いをされており そのときの新婦の笑顔に 新郎がひとめぼれなさったそうです

 それからキッチンカーに通い 告白する機会をうかがっていらした新郎に 北海道へ異動の辞令が出されました

 その前にと 意を決す新郎に飛んできた運命の“赤い糸”――正確には“赤いケチャップ”なんですけれども えー コホン なんと 新婦が調理で使っていたケチャップを うっかり新郎の顔にかけてしまったのです

 すぐさま謝る新婦に 新郎は 『大丈夫 気にしないで』と 笑顔で優しくおっしゃいました 新郎の 真っ赤な顔で笑うそのお姿に――うん 赤いのは ケチャップがついているからだけではないでしょう えー その笑顔をご覧になったその瞬間 今度は新婦が新郎にひとめぼれ まるで “キューピッドの矢”を受けられたかのようですね

 それがきっかけとなり 交際が始まりました そして ほどなく新郎は北海道へ

『遠くても 心はいつもそばに』

 おふたりは どんなときも そう思って過ごされていたそうです

 恋しい夜には 共に月を見ながら電話をした なんてことも

 それから

 愛ときずなを育んでこられたおふたり

 晴れて 今日の日をお迎えになられましたおふたり

 思いやりをいつも胸に いつまでも笑顔でいられるような家庭を築いていきたいとおっしゃっています

 皆さま どうぞ これから手を取り歩んでいかれるおふたりに 末永く幸せにと願いを込めて 盛大な拍手をお送りくださいませ


 本日は まことにおめでとうございます











                         <おわり>


 Vi auguro tanta felicità(イタリア語):あなたたちに幸多かれと願っています。




 タイトルの『IL TRENO PASSA PER TUTTI』は、イタリアで使われる言い回しだそうです。

 直訳は、『列車はみんなのところを通ります』てな感じのようですが、TRENO(列車)をOCCASIONE(チャンス)にたとえて、『チャンス行きの列車は必ず誰の前にも来ます』という意味を含ませるのだとか。


 誰にでもやってくる“チャンス”。


 そして、『チャンスは貯金できない』という名言もあるみたいです。


 列車に乗るか、乗らないか。

 いつ列車が来てもいいように、カバンに荷物を詰めて、メイクも髪も服も靴も、全部ばっちり準備OK、あとは一歩踏み出すだけ! にしておけたらいいですね。


 ありがとうございました。

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IL TRENO PASSA PER TUTTI 千千 @rinosensqou

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