一つ一つはとても短い文章です。最初は、闇落ちなのかなって思ってしまいました。正直申し上げると、最初の印象として、そのように思う人は、多いと思います。でも違う。違うってわかったら、そこからはなんだろうなんだろうなんだろうの連続です。考えると、止まらなくなります。
鈍痛だ。鋭い痛みでは無く、作者が世界に感じている鈍痛だ。しかし本作は、作者持ち前のハイテンション・エッセイと、表裏一体の作品なのだろう。仄かな輝きが熾火のように感じられる。。そこはかとない陰りのある小説風エッセイだが、それゆえに作者の一面が静かに炙り出されているようで、結局、こころ惹かれてしまうのだ。