誰にも見られてない私たちの話

@darewata

第1話

これは誰にも見せるつもりがなかった話。

でも、誰か一人くらいなら、知ってくれてもいいかもしれない。


全部が本当のことかは、わからない。

だけど、どれも、私の“本当だった気持ち”だ。


誰にも見られてないはずだった、私たちの話。



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昔のこと、忘れたと思ってたけど、最近ふとした瞬間に思い出して気持ちがザワザワして。

自分の中の"棚卸し"がしたくて、この話を書こうと思う。





最初のキッカケは、東京の服屋で働いていた時。

生意気な私は、いじめにあった。

全然気にしてないつもりだったけど、心は溜まっていたみたいで、仕事中に急に涙が止まらなくなった。


人の目が怖くなって、電車に乗れなくなってしまった。


都会には住めない…


そう思い、地元に帰った。



幸い、実家はあるものの、母子家庭の我が家にお金の余裕なんてあるわけがない。

でも人の目が怖い。働けない。怖い。どうしよう。


そう思った時には、風俗をしようと決意していた。

周りにはそんな友達、一人もいなかった。


だけど私には、"それ"しかなかった。


誰にも見られていない、1:1の、"それ"。




あの時の私は、ただ生き延びたかっただけだった。


でも本当に"私"はそこにいたのかな。

今でもわからない。

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