異能の“化け物”たちと新米監視役が織りなす、痛みと絆の対話劇
- ★★★ Excellent!!!
『特殊部隊と監視役~殺人鬼の化け物たちと過ごす日常~』は、人間と「被験体」と呼ばれる異能者たちとの関係性を、重厚な背景と繊細な心理描写で描いた物語です。
序盤から読者を引き込むのは、類という新米監視役の視点を通して徐々に明かされていく「特殊部隊」の実態と、個々の被験者たちの過去。単なる異能ものにとどまらず、人体実験や差別、軍事利用といった重いテーマにも真摯に向き合っており、世界観に厚みを持たせています。
キャラクターごとの能力・代償設定もよく練られており、それぞれの個性や内面に説得力を与えています。
また、日常の会話劇と過去の悲劇的な記憶の対比が効果的に用いられ、読者に余韻を残す構成となっています。
今後、類と被験者たちがどう向き合っていくのか、物語の展開に注目したい作品です。