癒しの小屋カフェ〜気弱で可愛い歳上男子はお好みですか?〜
暦海
第1話 コンプレックス
「…………はぁ」
晴れやかな空が広がる、学校からの帰り道。
閑散とした住宅街を歩きながら、空の模様とは対照的な暗鬱たる息を洩らす私。……はぁ、今日もやっちゃった。
(……うっわ、また発揮してるよ馬鹿力)
(これで何個目って感じよね。あいつに使われる道具がかわいそ〜)
数時間ほど前のこと。
京都府内の公立校、
ともあれ、何が起こったのかと言うと――つい今しがた使用していた鉛筆が、なんと真っ二つにポキっと割れてしまったわけで……別に、そんなに力を入れたつもりはなかったんだけどね。
――初めは、小学三年生の頃だった。
『……うわああぁん!
『……えっ!? ……いや、わたし、そんな強くは……』
ある日の、お昼休みのこと。
和やかで楽しい給食の
『……うっわ、マジかよ
『……
『……え、いや、わたしは……』
すると、疎らに届くクラスメイト達の声。……いや、そんな強く叩いたわけじゃ……それでも、叩かれた当の本人が泣き止まないため刺さる視線は止まらない。……なので――
『……その、ごめんね穂香ちゃん。その、ちょっと強く叩いちゃったみたいで』
そう、そっと背中をさすりつつ謝罪を述べる。……うん、きっと自分でも気づかぬうちに力加減を間違えてしまったのだろう。尤も、正直のところ穂香ちゃんも少し大袈裟なんじゃないかという気もするけど……うん、今度からは気をつけよう。
――だけど、その後も似たような
『――そろそろいい加減になさい、水音! いったいいくつ壊せば気が済むのよ!』
『……あ、いや、わたしは……』
小学三年生の、ある秋の頃。
家に帰りほどなく、怒りの形相でそう言い放つお母さん。何の話かと言うと、お母さんの手にある真っ二つに割れた鉛筆についてで。
……そう、これもこの辺りの時期から頻繁に起きていたこと。でも、当然のこと壊そうとなんてしていない。ちょっと力が入った時に、急にポキっと……うん、ほんとなんでだろうね。
ともあれ、物は壊すわ
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