有罪花

天川

第1話 有罪花

 珍しく夫が花を買って帰ってきた。

 「花に罪は無い」と云うが、寧ろその言葉せいで、なにかの意図を感じてしまう。

 最初は、私のために買ってきてくれたのかと思ったのだが、どうもそれだけでもないみたい。

 帰るなり彼は、今まで我が家では殆ど使うことのなかった花瓶を物置から取り出してきて、自分で水を作ってその花を生けていた。今までそんな素振りを見せた事は無かったが、実は花が好きだったのだろうか。


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