信用ならないひと
さい
第1話
あんなに怖い目に遭ったのに幻覚だと言われた。
一階のテラスから男が侵入してこようとした。
ギシギシと梯子の音がなり、昼寝から目覚めると
窓の向こう側のテラスのてすりにはしごをかけた男がいた。
悲鳴もでなくてすぐに窓を閉めて鍵をかけてカーテンをしめた。夫に電話していた。
夫は大丈夫か怖かったなと言ってくれた。
そのあともずっとだれかが窓の向こうにいるようで怖かった。
一ヶ月くらいして誰も家にいない時トントンとガラス窓を叩く音がきこえた。
あれから鍵は閉めてるしカーテンも閉めている。
またトントントンとガラス窓を叩く音がした。
とっさに夫に電話して110番した。
家の中に入ってきそうで家の中に居られず玄関を開けてお巡りさんを待った。
10分ほどでお巡りさんがきてくれて一緒に中に入った。
誰も居ないし、カーテンも閉まっている。お巡りさんはカーテンを開けて外を確認して誰もきた形跡はありません。音が反響して聞こえたんでしょう、といった。
そう言われるとそうかも知れない、と恥ずかしくなった。
相変わらず窓の向こう側に誰かがいそうな気がするし、カーテンも開いてると落ち着かない。
あれから何年経ったのか、いまもかわらずカーテンは閉まっている。
夫は鍵もカーテンも開けっぱなしでよく出掛ける。
わたしが気にしてるのを知っているのに。
ある時酒を飲んでいた夫と口論になった。
たわいもない口喧嘩だった。
何がきっかけだったのか、はじめは片付けが出来ないというはなしだった。帰りが遅いはなしになり、
仕事先で連絡できるかというからトイレに行って連絡してよ、と言った。
それからこんなんじゃ緊急な時に連絡つかないじゃんと言ったら、あの時には連絡ついたじゃないかと言った。
確かにあの時はなぜか連絡がついた。
そして夫はいった。
あれな全部幻覚だよ。だからお巡りさんも人の居た形跡がないっていってただろ?それがすべてなんだよ。
そう言った。
相手の顔も覚えていて、あれから忘れられないほど怖かったのに全部幻覚だなんて。
この人を信用できない。そう思った。
前々から大きな声をだしてどなりつけたり、かべを殴って穴を開けたりどーしようもない人だと思っていたけど。
この先娘に何かあった時このひとだったら勘違いで済ますかも知れない。ほんとに信用できない。
別れたい。このひとのそばにいたくない。
信用ならないひと さい @sai5050
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