②飛べるかな?
ペンタは元気いっぱいに、前に跳ねた。ペン子もちょこちょこ、その後を追ってくる。キラキラ光る氷の上を、二人並んで進んでいくのは、最高の気分だ。ペンタは時々、羽をパタパタさせて、空に飛んでいく練習をしてみたりした。もちろん、全然飛べないけれど、そういうのが「魔法使い」の僕には大事なのだ。
しばらく歩くと、目の前に大きな氷の割れ目が現れた。幅はそんなに広くないけれど、底が見えないくらい深い。ペンタは鼻をフンと鳴らした。
「これくらい、どうってことないさ!」
ペンタは少し助走をつけて、ぴょーんと飛んでみようとした。だが、思ったよりも割れ目は遠い。ペンタの短い足では、あと一歩が届きそうにない。
「くぅ……!さすがは自然の魔法だ!僕の空飛ぶ魔法も、これには歯が立たないか……!」
その時、後ろから
「お兄ちゃん、こっち。」
と、小さな声がした。ペン子が、割れ目の少し手前を指差している。そこには、割れ目へと続くように、細い氷の橋が、まるで誰かが置いてくれたかのように伸びていた。
ペンタは、
「おお!これはペン子の探知魔法か!なかなかやるな!」
と声を弾ませて、少し照れくさそうにペン子の後についていった。
細い橋を渡り終え、二人はほっと一息ついた。
ペンタは、
「ふぅ、危なかったな。僕の機転がなかったら、どうなっていたことか。」
と、ちょっぴり得意げに言ってみる。
ペン子は何も言わずに、ただフフッと小さく笑っただけだった。
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