第3話デートの前半戦②

「照魔さんはどんな服装が好みですか?」

俺と亜美さんは今、レディース用の服屋さんに来ていた。

「俺あんまり女性用の服わからないですけど」

女の子の服を選べるなら、年齢=彼女いない歴や童貞をとっくの昔に捨てているという話になってくる、

「照魔さんの好みの服選んでくれるだけでいいです。私が照魔の好みの服知りたいだけですし、この後のデート照魔さんに選んでもらった服に着替えようかなって思ってるだけなので」

それこそ、責任重大な気がする。

もし、ここで俺がダサい服を選べば、亜美さんはこの後のデートはダサい服を着て、デートする事になる。

ここは、俺の直感を信じて、亜美さんに似合うような清楚系の服装にしよう。

「この白のワンピースとかどうですか?」

俺はその場にあった、ちょっとヒラヒラしている、丈が少し短いワンピースを手に取り、手渡す。

今は、7月に入ったばかりだが、もう既に余裕で30度以上超える暑い季節なので、夏といえばワンピースのイメージだったので選んだ。

それとは、他に亜美さんの手入れが行き届いている、絹糸のような綺麗な黒髪と白いワンピースは、絶対合うと思いチョイスした。

「わかりました!ちょっと試着してきますね」

亜美さんは試着室に俺の選んだ、ワンピースを片手に入って行く。

待つ事、少し試着室のカーテンが開かれる。

姿を現した、亜美さんがあまりにも綺麗すぎて息を呑んでしまった。

綺麗な髪とワンピースの白が合っているのと、日焼けをした事がないような白い肌は、まるで夏の妖精のように見える。

「どうですかね?」

ワンピースを着た、亜美さんはその場で一回してから、感想を求めてくる。

「めっちゃ綺麗です」

普段の俺なら多分、恥ずかしがって女の子を素直に褒める事は、出来ないだろうが、今回は何故か言葉がスッと出てきた。

「あはは、ありがとうございますで合ってますかね?」

亜美さんは褒められた事に、照れ臭そうに含羞む《はにかむ》。

「じゃあ、これ買いますね」

ワンピースを会計する為に、レジの方に向かって行く。

「6980円になります」

俺は亜美さんが財布を出す前に、一万円札を出して、会計を済ませる。

服屋を出た瞬間に、亜美さんが7000円を渡してくる。

「どうしたんですか?」

「さっきワンピース代払ってもらったのでお金返します」

俺は受け取らず、亜美さんに返す。

「俺が払うつもりだったので大丈夫ですよ」

「でも…今日デートしたばかりなのに奢ってもらうのは流石に申し訳ないです」

それでも、奢ってもらう事には抵抗があるのか、納得していない感じがする。

妹の菜々とは、偉い違いでいい子なんだなって実感する。

菜々と出掛けたら、あいつは一切財布を出さず、全て奢らされる。

まあー基本バイトをして、お金を貯めているし、あんまりお金を使う遊びをしないからいいんだけど。

「全然いいよ、それに亜美さんの綺麗な服装見れて役得だったし」

俺は納得してもらう為に、役得だったと言ったが、自分で言ってて少し気持ち悪いなと思った。

「わかりました。ありがたく貰いますね」

「うんうん」

やっと、亜美さんは納得してくれたのか、話しを切り上げる。

「まだ亜美さんの時間少し残ってるけどどうします?」

「いい時間ですし、最後は昼食でも行きましょう」

俺は亜美さんの先導の元、亜美さんが選んだパスタ屋に入って行く。

「ここのパスタ絶品なので照魔さんも気にいると思います!」

店の雰囲気的に、アンティークな作りで落ち着く空間だ。

亜美さんはカルボナーラを頼み、俺は明太子パスタを頼んだ。

「ねえねえ、照魔さん私のデートどうでした?」

「まだ今日知り合ったばかりで、まだ互いのこと知らないけど、少しは亜美さんのこと知れたから楽しいデートでしたよ」

「ふふっ、そう言ってくれると嬉しいです。」

本当に嬉しそうだ。

「それと、気になってたんですけど、菜々ちゃんと私同い年なので、亜美って呼んでください。それと他人行儀なので敬語も無くしてほしいです」

「亜美、これでどうかな」

「おお〜いい感じです!」

「亜美も敬語外さないの?」

俺も敬語無くしたし、亜美も素で話して欲しいなと思い、提案する。

「私の敬語はもう癖のようなものなので敬語がない方が違和感凄いんですよね」

「それなら仕方ないね」

適当に話していたら、注文した商品が配膳される。

「「いただきます!」」

届いたので食べ始める。

「おー美味い!」

パスタ麺と明太子がよく絡んでいて、少し明太子が辛いが美味しい。

「ですよね、ここのパスタいつ食べても美味しいですよ」

「私のカルボナーラも一口やるので、照魔さんの明太子パスタも一口食べたいです」

「いいよ」

俺は取り皿を取り、パスタを取り分けようとして。

「はい、あーん」

亜美さんはパスタを巻いて、直接俺の口に入れようとしてくる。

「え…ちょっまっむぐ!」

俺が静止する前に、フォークを口に突っ込まれて、亜美さんのカルボナーラを食べる。

「美味しいですか?」

「美味しいよ」

亜美さんは全く気にしてないようなので、間接キスだが俺だけ気にしているのも恥ずかしいので、表情に出さないようにする。

「照魔さんの明太子パスタもください」

亜美さんは親鳥から餌を貰う、雛鳥のように口を開けて待っている。

俺は覚悟を決めて、パスタを巻き、亜美さんの口の中に入れる。

「んーこちらのパスタも美味しいですね」

パスタを食べ終わった俺達は店を出る。

「次は照魔さんの番ですね」

次は3時間俺がデートをエスコートしなくちゃ、行けないので亜美さんを楽しませる為に、必死に頭を回転させるのだった。

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童貞だからと妹に女の子を紹介された 池田 春 @IKeDa1346

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