第2話
「…っぐぅ…!」
大きな尾に胴体を締め上げられ悶えるレイジ
「うちのトルに何をしようってんだい」
見るとそこには先ほどまで眠っていた大きな白銀の蛇竜がいた
光沢のある小さな鱗が折り重なり、真っ赤な瞳孔を光らし、牙を見せながら喋る。
「…っ喋れるのか!」
「すごい…頭がいいな、この家の主人に教えてもらったのか?」
レイジは締められながらも、小さな布製のポシェットの中からメモ用紙を取り出し、震える字でさらさらと書き殴っていく。
(こいつ…私の締め上げを喰らっているのにも関わらず、目を輝かせている…)
「うふふ…アハハ!いいぞ!君はどこで生まれたんだ?竜同士は言語を持っているのか?!」
「黙れ。トルが起きたらどうする」
より強く尾を絞めた。
「君はっ…本当に高度な知能を持った蛇竜だ、もっと詳しく話を聞かせてくれないか?!」
「黙れと言っているだろう…!」
白銀の蛇竜は怒りを孕んだ声で言う、すると
「チュピ!チュピ!」
両手のひらに乗るくらいの小さなドラゴンがパタパタ飛びまわりながら姿を表し、細長い尾をレイジの足首に突き刺した。
「!君も喋れるのかい?…このサイズで赤色の鱗は割と珍し……」
焼けるような痛みがレイジの足を襲う。
「…うッ…」
レイジの顔はみるみる青ざめ、あまりの痛みに雄叫びをあげる。
「ちょっとなにやってんだいアンタ…」
と白銀の蛇竜が小さいドラゴンに言うと、「チュピ…」と言いながら尾をレイジの足から引き抜く。
「あーあやっちまったね、アタシは知らないよ」
「…し…おこう…」
おぼろげに竜の声を聞きながらレイジはそのまま気を失ってしまった。
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