第5話 妹ヒロイン!? 俺はお姉さん系の方が......


本当は格好良く、「大丈夫? 怪我はない?」なんて言いたかったんだけど。


難しいものだ。


「えっと、あの。その。大丈夫、かな?」


だってしょうがないだろ。年下の女の子と話す機会なんてないし。


それに、美少女だし。


西洋の異世界ものなのに黒髪だけど、まぁそんなこともある。


顔はすっごい可愛い!


でも、ゲームのキャラならそれはそうか?


まぁ、俺の評価は絶対値を重視している。

故に、この子は可愛いのである。


小説みたいに、髪は艶がありーとか、眉目秀麗とか、双眸は海のように澄んでとか、そんな難しいことは知らないが、まぁそれらに当てはまりそうと言ったらそうである。


格好は町娘のようで、背丈は一五〇センチくらいの小柄だ。


俺の問いかけに、少女は固まっていた。

俺の顔をじっと見て、それから、言う。


「余呉野......?」


「え?」


俺の、苗字?




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