ひぐらしの宿 短歌連作 10首
@bestdance
ひぐらしの鳴く宿にて
渦巻きし 漆黒の雲 覆う丘 曼殊沙華咲き 鳴くはひぐらし
一面に 咲きたる朱き 曼殊沙華 糸の散り散り 競いしほどに
ひぐらしの 鳴く宿の石 の下には 薔薇の花びら と君を埋めて
汗き肌 重ねし宿の 向こうには ひぐらしの鳴く 世界ありけり
扉明け 宿の外へと いでせれば 百鬼夜行に 呑まれて歩く
宿の外 土におちたる 曼殊沙華 落ち蝉を抱く のは女郎蜘蛛
扉明け 戻りし部屋に 死のにおい 塗りたくりたる 肌にまみめり
終わりして 宿いでし時 宿のはた 枝に掛かれる 蛇の抜け殻
ひぐらしの 鳴いてた宿を 尋ねしが 枯野に石が 一つありけり
君の名を 呼べども声は 風に消え ひぐらしの音 静かに聞けり
ひぐらしの宿 短歌連作 10首 @bestdance
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