頑張っているほうの朝

佐藤今

頑張っているほうの朝

水音が飛び込み鍋は重くなる起き上がれない朝と同じに


台所から寝室をふり返る数分前の私すやすや


「血圧」は字だけが強い頭にはしめつけられる赤のなわとび


とりあえず100度にされてゆるやかに下降していく水は素直だ


半開きあまりよくない冷蔵庫出し忘れてたお惣菜など


タッパーが弁当箱となり照らす道を選んだ続けるために


レンチンの間にたたむバスタオル乾いておらず梅雨を知った日


即席で溶かした味噌を流し込むこれは灌漑です私への


月曜も着ていたかもなハンガーの代打はホームランでなくても


ごみの日の袋を結ぶ秩序とはなにかあたかも知ったふうな手

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