第2話

第2話



 ホアンに詳細を指示されているのか。


 クリシアは、すぐさま城を案内しましょうと言ってきた。


 私は、喜んでそれを承諾した。


 クリシアは、至極丁寧に教えてくれた。


 美術工芸品の宝庫である城内は、楽しく垂涎物で、私にとって至福の時だった。


 不意に、ブリアナを捜さないといけないという使命を思い出し、私は我に返る。


 クリシアに城内や他にこの国の詳しい地図が欲しいと願ったら、ホアンがいる神殿へ向かうことになった。


 その途中のことだった。


 私は、厩舎の近くを横切ることを知った。


 自分が大好きな馬を見たくなり、クリシアをここで待ちたいと、私は懇願する。


 クリシアは、渋い顔をしたが、それを承諾してくれた。



 厩舎の中に入った私は、筋肉隆々で雌鹿のような綺麗な眼差しや、絹のような鼻づらに、思わずうっとりとした。


 馬番が物珍しそうに、煌びやかなドレス姿の私を見ている。


 私は、それを気にするつもりなく、美々しい馬たちに見惚れていた。


「うわあ……。本当に綺麗よねえ。ぜひ乗ってみたいわ」


 私の頭は、馬のことでいっぱいだった。


 ぜひともホアンに、自分が乗っていいかどうか頼んでみようと考えている。


 馬に夢中になっているもえは、背後から自分に近づいてきた人物に、気がつかなかった。


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