歪な世界

　憂鬱だと感じてしまう、この何もない世界が嫌になる。娯楽があるから幸せになれるわけじゃない、パートナーがいるから安心できるわけじゃない。

　この世界は不安定な世の中だ。

　安定は停滞でしかなく、進歩ですら破滅への道となるのだ。

　何もないことが一番良いと思ってしまえる程には歪な世界だ。

　こんな歪の世界で僕たちは生きている。そして僕は人間が嫌いだ、醜い欲望に包まれた存在に見えるからだ。僕は自分自身が嫌いだ、醜いと思えてしまうほどに欲望に包まれているからだ。

　嫌になる、それは僕だけかもしれない。争いは絶えず、自らの意思を正すための争いは嫌いだ。それを正義という人間が嫌いだ。それは正義ではなく貴様の欲から生まれた願望だろうに。

　願望というのは悪いものではない、欲が悪いとも言わない、だが欲を正義と言い人に迷惑をかける人間を人と思えないだけだ。

　嫌いなものが多い、こんなことを言っているが綺麗事も嫌いだ。そんな綺麗事で解決できるのは目に見えた問題のみだというのに。

　もっと本質を見なければならないと僕は思う。

　少し話は変わるがこの世は、弱肉強食だ。だから強いものが上に立ち弱きものを護る、そんな世界だ。しかし上の人間は下を生きる人間の本質を見抜くことができていない。

　綺麗事というのは便利なものだ。